冒険心の強い人は地下世界ツアーへ!

古都エディンバラで、お城や教会など一通りの観光名所はすでにまわってしまった。そろそろちょっとディープなスポットも訪ねてみたいな…。そんな冒険心の強い人は、迷わず「リアル・メアリー・キングズ・クローズ」ツアーへどうぞ。ただし、暗いところや狭いところが苦手な人、そして幽霊が怖い人にはおすすめできません。ここは作り物の「お化け屋敷」などとはちがう、都市に残された本物の「負の歴史」をめぐるツアーなのです。

ちょっと怖いけど面白い、エディンバラ「リアル・メアリー・キングズ・クローズ」(その1) ちょっと怖いけど面白い、エディンバラ「リアル・メアリー・キングズ・クローズ」(その1)

ロイヤル・マイルの路地がスタート地点

ツアーの集合場所は、聖ジャイルズ大聖堂が目印です。エディンバラ城からホリルードハウス宮殿までを結ぶ目抜き通り「ロイヤル・マイル」に、この大聖堂があります。その向かい側に、うっかり見過ごしそうなくらい地味な看板が出ていますよ。ロイヤル・マイルの左右には、いくつもの「クローズ」と呼ばれる路地があります。クローズの先に小さなショップやレストランがあったり、住民の抜け道になっていたりします。「リアル・メアリー・キングズ・クローズ」も、そんな路地に入り口があるのです。

近世ヨーロッパの時代の貧困層は……

この辺りは、16世紀ごろから貧しい人々が住むエリアでした。富裕層は高台に住み、坂の下にあるこのエリアには移民などの貧困層が住んでいたのです。当時のヨーロッパ社会のご多分に漏れず、エディンバラもきわめて不衛生な都市でした。生活排水だけでなく、糞尿といった汚物もすべて往来に流されていたのです。当然、それらの汚物は坂を下って貧困層居住エリアを直撃し、ただでさえ異常な人口密度に苦しんでいた貧しい人々は、疫病にも苦しむこととなりました。

町ごと埋められてしまった、ものすごい「過去」を発掘

やがてペストの大流行がエディンバラを襲います。折からエディンバラの人口増加に伴い市街地整理を行う頃合いだったため、それとともにペストの発生源である貧困地区ごと、そっくり埋め立ててしまうことになったのです。いくら生活階層がちがうといっても、人が人の暮らしを町ごとすべて埋めてしまうとは、なんという恐ろしいことでしょう。それが近年になって発掘され、住居跡を整備し直して、観光名所としてオープンしたのが、「リアル・メアリー・キングズ・クローズ」なのです。この路地の名前は「メアリー・キングズ・クローズ」ですが、「本当の(リアル)路地は、この地面の下にあるんだよ」という意味の名前なのですね。どうですか? 怖そうだけどその成り立ちに興味が湧いてきたでしょう! ではさっそく、集合場所から入り口へ入ってみましょう。(その2に続く)