- 元川悦子
- 長野県出身。夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターに。著書に「U−22」(小学館)「初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅」(NHK出版)「古沼貞雄 情熱」(学習研究社)ほか。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。W杯は94年大会から4回連続で現地取材した。現在も日本代表ウォッチャーとして世界各国を回っている。
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ロンドンは、世界屈指のサッカータウン!
「世界で最もサッカーを満喫できる町」といえば、フットボールの母国・イングランドの首都・ロンドンに他ならない。かつて稲本潤一(現フランクフルト)がアーセナルとフラム、戸田和幸(現広島)がトッテナムでプレーするなど、日本のサッカーファンにも馴染み深い土地である。
昨季はチェルシーとアーセナルがUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)16強へ進出するなど、今や欧州サッカー界がロンドンを中心に回っているといっても過言ではない。今季もここにホームを置く5クラブ(チェルシー、アーセナル、トッテナム、フラム、ウェストハム)がプレミアリーグに所属。チャンピオンシップ(2部リーグ)やその下のカンファレンスリーグのクラブもあり、ロンドンにいれば、週末になれば確実にフットボールを堪能できるのだ。
ウェンブリーパーク駅
「イングランドのサッカー場はフーリガンがいて怖い」という印象をお持ちの方も多いだろうが、そんな心配はいらない。最近のサッカー場は取締りが厳しく、危険な人間はスタジアムに入れない。パブに行こうとしても出入口でも厳しい持ち物チェックがあり、騒いで暴れるような人間はおとなしく自宅でテレビを見ているしかない。努力のおかげでサッカー場のマナーは著しく向上している。
新ウェンブリーの外観
数多くあるロンドンのスタジアムの中で、まず最初に目指すべきなのは「ウェンブリー」。今年5月19日のFAカップ決勝、マンチェスター・ユナイテッド対チェルシー戦で正式オープンしたこのスタジアムこそ「イングランドフットボールの聖地」なのだ。
歴史を紐解くと、旧スタジアムの供用開始は1923年のFAカップ決勝・ボルトン対ウエストハム戦だった。以降、イングランド代表チームの公式戦、イングランドサッカー連盟(FA)主催ゲームの会場として幾多の歴史を見守ってきた。66年イングランドワールドカップ決勝でドイツに勝ち、世界王者に上り詰めた時の盛り上がりは凄まじいものだったという。旧ウェンブリーは2000年秋、2002年日韓ワールドカップ予選・ドイツ戦で屈辱の敗戦を喫したのを最後にクローズ。新施設への移行が始まったが、財政面や建設計画の変更、スタンドの安全基準、ピッチ状態など問題が噴出。2006年前半の完成予定には間に合わず、1年半以上も遅れて今春、ついに9万人収容の新スタジアムが完成したのだ。総投資額はなんと8億ポンド(約1840億円)というから信じがたい額である。
イングランド代表戦も見られる!
ウェンブリーは、地下鉄・ジュビリーラインかメトロポリタンラインの「Wembly Park」駅を降りてすぐの場所にある、屋根上に懸かったアーチが特徴の新スタジアムからは、紆余曲折の歴史など一切感じられない。9月には、2008年にスイスとオーストリアで共同開催される欧州選手権(ユーロ2008)予選の大一番であるイスラエル戦(8日)とロシア戦(12日)がある。イングランド代表はつい先日、ルーニー(マンチェスターU)の骨折というショッキングな出来事に見舞われたばかり。しかも目下グループ4位に低迷している。ベッカム(ロサンゼルス・ギャラクシー)を復帰させ、逆転で2位以内に滑り込み、プレーオフへの挑戦権を得られるか。この大一番は必見だ。すでに前売券は完売しているが、いざとなればダフ屋という方法もあるし、パブで熱狂的なファンと盛り上がることも可能だ。チャンスがあれば、ぜひとも現地を訪れてほしい。
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/08/29)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
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