セレブに大人気 海藻がおしゃれ食材

「ビリングスゲート・マーケット訪問記(中編)」からの続きです。マーケット内では魚介類のほかに、昆布のような海藻が売られていました。アイルランドやウェールズなどでは古くから海藻類を食べる習慣がありましたが、イギリスで幅広く食べられるようになったのはごく最近のことです。低カロリーで健康的な食材であることと、昨今の日本食ブームなどによりテレビで人気のシェフが使いだしたことで、最近では富裕層を中心におしゃれな食材としてもてはやされているそうです。人気のシー・レタス(Sea Lettuce)は海苔に似た味だけれど、塩漬けにされているせいか味はもっと塩辛いそうです。

おしゃれな食材として人気の海藻類 おしゃれな食材として人気の海藻類

40センチほどもあるスコットランド産大型ロブスター

ロブスターも日本でおなじみですが、ここで最良のスコットランド産は大きさがなんと40センチほどと大型です。なんでも低温の岩がちな深海で採れ、栄養価が高くおいしいため、高級食材として宴会などで人気なのだとか。ここにいるのは45歳くらいで、なんと100歳くらいまで生きるものもあり、成長し続けるそうです。いっぽう、25センチほどとちょっと小さめのカナダ産のロブスターは、スープやパテ、サラダなどに使われます。ここでは水槽内にポンプで酸素を入れ、水を循環させてきれいな水を保っているため、ロブスターは快適に過ごせます。新鮮さがおいしさの秘訣ですね。

スコットランド産大型ロブスター(左)とカナダ産ロブスター(右) スコットランド産大型ロブスター(左)とカナダ産ロブスター(右)

価格が高騰するサケ

世界的な魚食需要の高まりをうけて日本では最近、庶民の魚だったサンマの漁獲量が激減して価格が上昇しています。ビリングスゲート・マーケットでも同様に、訪問した日(2016年7月)はサケの入荷量が少なく、一週間前よりも価格が1.5倍ほどに高騰しているということでした。昨年比ではなんと2倍以上になっているそうです。その対策として市場関係者と仲卸人は、より安価なニジマスの扱いを増やすことを相談していました。市場関係者曰く、仲卸の人たちは逆境に強いとのことですが、毎日異なる水産物が入荷する魚市場ではこういった柔軟性が求められます。

マイナス30度の冷凍貯蔵庫

マーケット内での魚介類の見学を終え、マーケット外にある敷地内の設備を見学させてもらいました。サッカー場くらいの大きさだという冷蔵倉庫では、3000トンもの冷凍商材を保管できるということです。そのため仲卸は安い時に魚を仕入れてここに貯蔵し、値が上がった時に高く売るそうです。築地のマグロでも同様のことが行われていると聞いたことがありますが、おいしい魚を安定供給するための知恵なのでしょう。ところで、マイナス30度に設定された倉庫内に入ってみましたが、5分といられません。作業員は特別な装備をすることで20分ほど作業できるそうです。その他、マーケットには水産物の下処理作業場などもあり、バッキンガム宮殿や高級ホテル、レストランなどの仕込み作業を代行しているそうです。マーケットは環境面も重視していて、梱包材の発表スチロールや木の箱などを積極的にリサイクルしています。

ビリングスゲート・マーケットでは厚さ1ミリほどの薄い氷を使用 ビリングスゲート・マーケットでは厚さ1ミリほどの薄い氷を使用

海で世界は繋がっている!

ビリングスゲート・マーケットでは日本でおなじみの魚介類が多く見られ、同じ魚が一つの海から来ている、世界は海で繋がっていることを実感しました。またここを訪れたことで、築地や自らの魚食文化をより深く知ることができました。みなさんも、機会があったらビリングスゲート・マーケットを訪ねてみて下さい。