イーストエリアに来たついでに、寄った作品

(その1からの続き)2枚目はイーストエリアにある作品。地下鉄オールド・ストリート駅から歩いて5分ほど、Rivington通りにあるオープンバーの入口を入ると、その壁に様々なグラフィティが描かれていました。一番奥にバンクシーの作品はありますが、まずは入口にグラフィティエリアと描いた彼の別の作品が注目です。警察官が左手に懐中電灯を持ち、番犬ならぬプードル犬を連れて巡回しているよう。なんだかプッと笑ってしまいそうになる絵が、入口の目印になっていました。中へと進むとお目当ての作品、ニッパー犬が現れます。

入口にあるグラフィティは、アクリル板で保護されています 入口にあるグラフィティは、アクリル板で保護されています

ニッパー犬がミサイル機を持っている?

ニッパー犬といえば、日本ではビクターの商標マークとして使われ、蓄音機に耳を傾ける犬で知られています。ところが、そのオリジナルの作品に対し、バンクシーはニッパー犬にミサイル機を持たせて蓄音機と向かい合わせています。この犬はバンクシーと同じブリストル出身。幼い頃から彼はこの犬のモチーフを目したでしょうし、同郷であることも知っているはず。縁を感じているのかもしれません。特に解説はないので、私が自分で解釈を添えるなら「芸術(音楽)VS戦争」。絵にはアクリル板が備え付けられて、大事に保存されています。その一方で、こんな話もあります。

消されてしまった、推定7000万円のグラフィティ

この近くに、他のバンクシー作品があったのですが、私が訪れたときは見ることができませんでした。実は、2007年ロンドン交通局の落書き対策チームによって消されてしまったのです。オークションに出せば推定7000万円を超えると言われる作品を、バンクシーのものだと知らずに。映画でジョン・トラボルタとサミュエル・L・ジャクソンの二人がピストルを構える構図。バンクシーは、ピストルの代わりに、二人にバナナを持たせて描きました。ユーモアをシニカルに表現したこの絵を、私も見たかった!

ノッティングヒルにも、作品があります

最後の一枚は、ノッティング・ヒルを訪れたとき。土曜日に行われるポートベローマーケットの通りをずっと北へ歩いていき、高架を過ぎたパブの壁に描かれていました。レトロな服装をした画家が、パレットと絵筆を持ち、赤字でBANKSYという字を描いている構図。この作品は、既にオークションで20万8100ポンド(約4400万円)で落札されていますが、外されることなく、現在も一般に見ることができます。基本的にグラフィティは消される運命であるのに、こちらも保存のためにアクリルパネルが設置されていました。(その3へ続く)