- Chiri
- 東京都在住。20年の出版社勤務を経て、フリーに。訪れた国は45ヵ国、海外旅行の回数は100回以上。いまだにビクビク、オロオロの旅をしている、へっぽこトラベラーです。地元の人でにぎわう街をウロウロするのが何より好き。へっぽこな視点でがんばります!
出発エリアをに変更しました。
バスの車窓から。青と黄色はウクライナ国旗の色
ウクライナへの旅行というと「危なくないの?」とよく訊かれます。日本のニュースでウクライナという国名を見聞きするときは大きな事件が起きた場合が多いので、その印象でとにかく「危険な国」と思われがち。情報が少ないので私も初めはこわごわ訪れましたが、行ってみたらすっかりハマり、3回目には行き先をウクライナだけに絞って約40日間の旅をしました。そしてウクライナは長めの旅にうってつけの国だと思ったのです。
安心して歩ける町の通り
まず気になる治安については、一部のエリアを避ければ問題なし。訪れた町はどこも平和で、穏やかな暮らしがありました。むしろ欧米の大国よりも安心感があったような…。たとえば見るからに異邦人の私が写真を撮ったり地図を見たり、一人でベンチにすわっていたりしたら、海外ではあやしい人が近づいてくることもあり得ます。けれどウクライナでは長い旅の間、そういう人がまったく現れないのが不思議なくらいでした。ただ一度、混雑したバスターミナルで無防備に立ち話をしていたら、数百円相当の現地通貨をスラれるということがあったので、気のゆるみは禁物です。けれどそんな出来事はかすむほど、全体として安全というイメージ。夜、一人歩きの女性は普通にいたし、どこへ行ってものんびりと平穏で、日本で思われているウクライナとはだいぶ違う印象をもちました。
全土をカバーしているウクライナ鉄道
ウクライナの国土はとても広い! 大都市あり、山間部あり、海辺の町あり。エリアごとにさまざまな特徴があって、変化に富んでいます。広大な大地は、長期旅のしがいがあるというもの。有名な観光地以外にも、普通の町に行ってみたい、典型的な田舎の村もいい、などと思い始めたら日にちがいくらあっても足りません。交通網が充実しているので、動きやすいのも助かります。しっかり管理された鉄道での旅は快適だし、バスの路線も張り巡らされています。
名物キエフ風カツレツ。中からバターがあふれだす
長期の旅となると、それなりにお金がかかるもの。現地の物価が旅の出費に大きく影響してきます。その点ウクライナは為替レートの関係で、物価がとても安く感じられるのが魅力。しかも単に安いのではなく、質がいい。たとえばレストランで写真のキエフ風カツレツにボルシチ(小)と紅茶をつけて、日本円で300円くらいでした。交通費にしろ宿代にしろ食べ物にしろ、外国人旅行者にとっては信じられないほどお得感があり、予算の乏しい私には本当にありがたかったです。
※1フリヴニャ=約3.7円。2020年12月時点
広い国土と異文化、のんびりした暮らし、コスパの良さ…ウクライナは時間をかけてじっくり訪れるのにふさわしい目的地。長期の滞在でも飽きることがありません。日にちに余裕がある場合、何カ国かまわるのもいいけれど、言語、通貨、習慣などが変わって目まぐるしいもの。1つの国に絞った旅は、腰を据えて落ち着ける良さがあります。次の旅はウクライナへ、長期の旅行計画を立ててみませんか?
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2021/01/22)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
提供情報の真実性、合法性、安全性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。
エイビーマガジンについて