バレエに興味はなかったのですが…

バレエに少しでも関心のある方でしたら、ウクライナのキエフに旅行に行くとなれば、バレエ鑑賞はすでに予定に入っていることでしょう。でも特に興味のない方にも、ぜひおすすめしたいです。素晴らしい環境の中、これほど安価で、本場のバレエが観られる機会はほかにないからです。こんなことを言っている私も、ウクライナに行くまでは劇場でバレエなど今まで一度も観たことはありませんでした。キエフのホステルで同室になったロシア人の女性がある夜、「今日はバレエを観てきたの」と話してくれ、なんと100フリヴニャ(約400円)の席だったというので驚いて興味を持ったのです。

バレエやオペラが上演されるウクライナ国立歌劇場 バレエやオペラが上演されるウクライナ国立歌劇場

建物自体も見どころの国立歌劇場

ウクライナ国立歌劇場は、国を代表するオペラ・バレエの劇場で、地下鉄のゾロチー・ボロータ駅またはテアトラーリナ駅から歩いて数分のところにあります。一度、火事で焼失したあと、1901年に現在の劇場が建築されました。ネオ・ルネサンス様式の美しい建物で、外観もさることながら、内部はため息がでるような美しさ。バレエやオペラを観るのに、着飾ってくる人が多いのも納得です。出し物はもちろんですが、この劇場を見ることにも価値がありますので、ぜひチケットを買って中に入り、その雰囲気を楽しみましょう。

劇場の内部は豪華なシャンデリアや精緻な彫刻を施した柱など、見惚れる美しさ 劇場の内部は豪華なシャンデリアや精緻な彫刻を施した柱など、見惚れる美しさ

チケットはネットでも窓口でも買える

チケットは劇場のホームページで買うことができます。自分で席も選べます。席の価格は出し物によって幅がありますが、私が見たときに多かったパターンは一番安くて20フリヴニャ(約80円)、一番高くて400フリヴニャ(約1600円)でした。80円というのも衝撃ですが、最もいい席が1600円というのも信じられないですよね。私はたまたま劇場のそばにあるホステルに滞在していたので、昼間に直接チケットを買いに行きました。昼間だと一見、すべてのドアが閉まっているように見えたのですが、よく見るとチケットを売る窓口がありました。英語は通じませんが、紙に日付や出し物のタイトル、希望の席の値段を書いて見せれば大丈夫です。窓口の女性が空いている席を示してくれて、そこから選んでチケットを買うことができました。前日でしたが、希望の100フリヴニャ(約400円)の席が買えました。バレエ「くるみ割り人形」のチケットです。

劇場の外にあったボード。直近の演目が書かれています 劇場の外にあったボード。直近の演目が書かれています

窓口でもらったリーフレットに感動

席を決めるときに窓口の女性が、劇場内の絵が描いてあるリーフレットをくれました。開くと1カ月の演目のスケジュール一覧が書かれています(なぜか前月のものでしたが)。あとでじっくりその紙を見て、驚きました。劇場の絵には座席が一つ一つ描きこまれていて、手書きの文字で正確に番号がふってあり、ちゃんと本物のチケットの席と対応していたのです。その緻密さと素朴さに、胸が熱くなりました。この紙が必ず窓口でもらえるものなのかわかりませんが、できれば手に入れることをおすすめします。あとからチケットの半券と見比べて、「自分はこの席だった」などと振り返ることもでき、いい思い出になると思います。(後編へつづく)

3ツ折のリーフレットは開くとA4サイズ。すべての席が座席番号つきで描かれています 3ツ折のリーフレットは開くとA4サイズ。すべての席が座席番号つきで描かれています