町のメインストリートをSLが通り抜けて行く

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町のメインストリートをSLが通り抜けて行く

掲載日:2013/10/14 テーマ:鉄道 ライター:沖島博美

タグ: おもしろい 一度は見たい 鉄道



ABガイド:沖島博美

【ドイツのABガイド】 沖島博美
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東京在住。 旅行作家。ドイツの民俗、歴史、文化などを取材し、書籍や雑誌で紹介し続けている。主な著書に『グリム童話で旅するドイツ・メルヘン街道』(ダイアモンド社)、『北ドイツ=海の街の物語』(東京書籍)、『ベルリン/ドレスデン』(日経BP),『ドイツ〜チェコ古城街道』(新潮社)、『ドイツ・クリスマスマーケット案内』(河出書房新社)など他多数。日本旅行作家協会会員。

鉄道ファンが待ち受けるバート・ドーベラン鉄道駅 鉄道ファンが待ち受けるバート・ドーベラン鉄道駅

現役の蒸気機関車モーリー号

ドイツでは1835年、ニュルンベルクとフュルトの間に初めて蒸気機関車が走った。それ以来ドイツは鉄道王国として知られ、IC特急やドイツ新幹線など日本と並んで世界最高レベルを誇っている。高度な技術が進む中、ドイツで多くの鉄道ファンを虜にしているのは今もなお現役を貫き通す蒸気機関車。年に何度か特別にSLを走らせている区間もあるが、ドイツ東北部、かつての東ドイツ地区には通常の交通手段としてSLが走っている地域がいくつかある。その一つがバルト海沿岸近くを走るモーリー号。ヴィスマールとロストックとの間にある小さな町バート・ドーベランと、バルト海に面したキュールングスボルンを結ぶルートだ。

 

のどかで小さな町バート・ドーベランのメインストリート のどかで小さな町バート・ドーベランのメインストリート

近くの海水浴場とSLによって人気が高まった町

バート・ドーベランは12世紀後半に修道院が建てられているが、その後は特に発展のない静かな町だった。19世紀に近郊の浜辺ハイリゲンダムHeiligendammが貴族の海水浴場となり1886年、ハイリゲンダムまで6.6kmの区間に鉄道が開通した。鉄道が開通してからバート・ドーベランは海水浴場への拠点町となった。この鉄道は1914年にバルト海に添ってキュールングスボルンKühlungsbornまで延長され、全長15.4Kmとなる。このルートは現在も変わらない。出発はBad Doberan Bf.バート・ドーベラン鉄道駅。ヴィスマールから来る電車もロストックから来る電車もモーリー号の出発に合わせ、Bad Doberan Bf.に10分前には到着している。時速30〜40Kmだが、町の中では時速5Km〜10Kmとゆっくり走る。

 

町の中では汽笛も鳴らさず煙も吐かない 町の中では汽笛も鳴らさず煙も吐かない

町の中での信じ難い光景

数あるSLの中でも特にこの路線が注目を浴びているのは、モーリーがバート・ドーベランの町の真ん中を悠々と走りぬけて行くことだ。ここはメインストリート。建物が向かい合う、そう広くもない道に2本のレールが敷かれている。本当にここをSLが通るのだろうか。訝りながら期待を込めて待っていると、突然、真っ黒な物体が建物の蔭からヌッと顔を出した。まるで大きな怪物のよう。音もたてず、ゆっくりゆっくりとこちらへ向かって来る。町の中では煙も吐かず、静かに線路の上を滑っている。そして止まった。シュタットミッテStadtmitte駅だ。プラットホームなどない。人々は歩道に降りる。歩道から乗り込む。少し停車してからモーリーは再びゆっくり走り出した。

 

臙脂色のソファーとカーテン、そしてライトスタンドがとってもエレガント 臙脂色のソファーとカーテン、そしてライトスタンドがとってもエレガント

エレガントいっぱいのレストランワゴン

モーリーは軌道(線路幅)が900mmという狭軌なもの。標準軌道は1435mmなので世界最狭、このタイプでは最も古い。所要時間は始発のバート・ドーベラン鉄道駅から終点のキュールングスボルンまで約45分。途中のハイリゲンダムまでなら20分程度だ。ハイリゲンダムでは2007年6月に第33回主要国首脳会議が開催されている。ハイリゲンダムサミットとして御記憶の方も多いのでは。もう一つ、モーリーの魅力は食堂車。オリエント急行とまではいかないが、レトロな雰囲気はちょっと似ている。ここで過ごすのは至福のひととき。どこの駅でもSLファンがカメラを構えて待ち受けている。さぁ、私たちもカメラを抱えてモーリーに乗り込もう!

 

駅で乗客は自分で手すりを上げて乗り降りしている 駅で乗客は自分で手すりを上げて乗り降りしている

データ

アクセス:
バート・ドーベランへはハンブルクから電車で約3時間(ヴィスマールあるいはロストック乗り換え)。
乗車賃:
バート・ドーベランからハイリゲンダムまで片道3.40€、往復6€、
バート・ドーベランからキュールングスボルンまで片道6.50€、往復12€
運行状況:
イースター(2014年は4月17日、2015年は4月2日)から10月31日までは8時台から17時台まで1時間に1本、
冬場(11月1日からイースターの前まで)は2時間に1本
上記の間隔でバート・ドーベランとキュールングスボルンの間を毎日往復している。

 
 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2013/10/14)
※渡航前に必ず現地の安全情報をご確認下さい。http://www.anzen.mofa.go.jp/
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
 提供情報の真実性、合法性、安全性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。
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