島の内部まである大量の…

前編からの続きです。人がほとんどいないミッドウェイ島は、まさに動物天国。生き物は保護されており、観光客は釣りさえ禁じられているので、動物たちに警戒心はあまりありません。外敵となる補食動物もいないので、アホウドリたちはここでゆったりと繁殖活動ができます。ところが大きな問題が見つかりました。島や浜辺に散らばるペットボトルのキャップや使い捨てライターなどのプラスチックゴミです。浜辺にあるのは漂着ゴミでしょう。しかし島の内部まで、ゴミがたくさんあるのはなぜでしょう。このゴミは、いったい誰が出しているのでしょうか?

数年に一度の限定ツアー? 一度は行ってみたい、海鳥の楽園ミッドウェイ諸島(後編) 数年に一度の限定ツアー? 一度は行ってみたい、海鳥の楽園ミッドウェイ諸島(後編)

日本が出したゴミが鳥たちを殺す

ミッドウェイ環礁は、北太平洋の海ゴミが西から東へ流れて行くベルトの上にあります。つまり日本や東アジアの国々が海に出したゴミが、ここに流れてくるのです。ミッドウェイに数多くいるコアホウドリは、海中に潜ってエサをとることができません。海面を泳いでいるイカや魚を食べるそうですが、その際にこうしたゴミを誤飲してしまうのです。そしてそれを巣にいるヒナに持って行って食べさせる…。死んでいるヒナや親を解剖すると、大量のペットボトルのキャップや使い捨てライターが出て来るそうです。親鳥が巣まで運んで、ヒナに食べさせたのでしょう。死んだ鳥を解剖すると、胃から大量のプラスチックゴミが出て来るそうです。

島に行くチャンスは数少ないが…

2007年以降、ミッドウェイに行くツアーは、たいてい環境保護団体やナチュラリストと行くツアーです。プログラムを見ると、動物の観察もしますが、ゴミの積極的な回収も行うようです。現在、ミッドウェイへは定期便がないので、行くにはチャーター便しかありませんし、食料もすべて持ち込まなければなりません。当然、高額のツアーにはなってしまいます。そのため、ツアーは1年に1回、あればいいほうのようです。2014年と2015年にはなかったようですが、ウエブサイトでチェックすると、次はハワイの団体が2016年3月23〜30日にナチュラリスト同行で定員17名のツアーを募集していました。ホノルル発7泊8日で90万円近いですが、もうこれしか行く方法はないんですよね。

アホウドリの大群が棲む海鳥の楽園

ミッドウェイは北太平洋でも指折りの海鳥の群生地です。17種類の海鳥が棲息するほか、50種類の渡り鳥が立ち寄る場所。なかでもコアホウドリは、全世界の75%以上、80万羽が集まるという世界一の繁殖地です。白い体に黒い羽根、翼を広げると2メートル近くという大型のアホウドリです。そのほかにもクロアシアホウドリなどのアホウドリの仲間、シロアジサシ、クロアジサシなどのアジサシの仲間、グンカンドリ、カツオドリなどがこの島で暮らしています。また、棲んでいるのは鳥ばかりではなく、アザラシやウミガメも砂浜にやってきます。

地球にある限り、すべては関わっている

3月11日の東日本大震災による津波は、ここミッドウェイにも押し寄せました。最大で1.5メートルの津波でしたが、海抜に近い島なので被害は大きく、11万羽のヒナが命を落としたといいます。そして地震による漂流物もミッドウェイに達しました。このミッドウェイの生き物たちを救う活動をしている団体も日本にあるので、興味があればウエブサイトでのぞいてみるといいでしょう。私もいつの日か、ミッドウェイへ行ってみたいと思います。