メンフィスで最も古いカフェへ行ってみよう

アメリカ南部、テネシー州のメンフィス。ここは音楽ファンにはブルース音楽とエルヴィス・プレスリーの町であり、現代史に興味がある人には、キング牧師が暗殺された場所として記憶されているかもしれません。今回紹介するのは、この町の名物ダイナー「アーケード Arcade」です。1919年創業という老舗で(メンフィス最古のカフェをうたっています)、場所はダウンタウンのアムトラック(鉄道)のセントラル駅の真向かい。メイン・ストリートともう一つの大通りの交差する角にあります。今では周辺はなんとなくさびれてしまっていますが、創業当時は町の繁華街だったようです。

右側がセントラル駅、左側がこのダイナー。よく映画のロケで使われる一画だ 右側がセントラル駅、左側がこのダイナー。よく映画のロケで使われる一画だ

あのエルヴィスも常連だった50年代

ギリシャ系移民のスペロス・ゼパトスによって開かれたこのレストラン。それが今も注目を浴びる人気店となったのは、時代がずっと下った1950年代のこと。息子のハリーによって、当時としてはとても洗練された(ヒップな)アメリカンスタイルのカフェとして改装されてからです。いわゆる“フィフティーズ・スタイル”という内装ですね。町で流行に敏感な若者がこの店にやってきました。その中には、あのエルヴィス・プレスリーもいたんですよ。エルヴィスは常連だったようで、彼が好んで座った窓側の奥の席は、今では「プレスリー・ブース」になっています。

ダウンタウンの荒廃、そして再建

しかし1960年代末から70年代にかけて、町は荒廃します。公民権運動、黒人暴動、ベトナム反戦運動など、アメリカは混乱の時期を迎え、ここからたった2ブロックしか離れていないロレインモーテルで、キング牧師が暗殺される事件も起きてしまいます。白人富裕層は郊外へと逃れ、かつては町の中心だったこのエリアはゴーストタウンと化します。このエリアが再開発され、人が戻ってきたのは1980年代に入ってからです。アーケード・レストランも再オープンし、その50年代の香りを残す外観は町のランドマークになりました。そして観光地として多くの人がここを訪れるようになります。

数多くの映画に登場するように

80年代以降は、数多くの映画のロケがここで行われ、きっと目にした方も多いはずです。昔の雰囲気が残っているので、映画のロケにはぴったりですね。観光シーズンには行列ができるほど混むというこの店。公民権博物館(ロレインモーテル)からも歩いて2、3分なので、見学の際にはぜひ寄ってみてください。プレスリーの席は人気なので、なかなか座れないかもしれませんが…・。

映画のロケによく使われる店内。アメリカンな雰囲気 映画のロケによく使われる店内。アメリカンな雰囲気

営業時間にご注意ください

The Arcade Restaurant(arcaderestaurant.com)の営業時間は、日〜水曜が7:00〜15:00、木〜土曜が7:00〜23:00です。メニューは、朝食やピザ、サンドイッチやハンバーガーといった軽食(日本人にはそれでも量が多いですが)が中心です。レストランの一画には売店があり、Tシャツやマグカップなどを販売しているので、訪れた記念にどうぞ! ホテルがあるダウンタウンの中心部からは、トロリーバス1本で行けますよ。