アメリカ南部に行くなら、ローカルフードを

この2016年のGWにアメリカ南部にある、ルイジアナ州のニューオーリンズとテネシー州のメンフィスに行ってきました。目的は現地で開かれる音楽フェスに参加することでしたが、ほかにも大きな楽しみが一つありました。それは「食」です。アメリカ料理というと、高級レストランはともかく、手頃な価格のレストランにはあまり特色がないような気がしますし。ステーキとかポテト、フライドチキンとか‥。しかし、アメリカ南部はその地勢と歴史から、アメリカの中でも独自の発展をし、数多くの有名ローカルフードを作り上げてきました。エスニック料理好きの私としては、この旅でそんなアメリカ南部料理を食べるのが非常に楽しみでした。では今回は、そんなアメリカ南部料理の世界を紹介しましょう。

ニューオーリンズのフレンチマーケット内にも南部料理のスタンドがある ニューオーリンズのフレンチマーケット内にも南部料理のスタンドがある

もともとはフランス領だったルイジアナ

世界史を勉強した方なら知っている方もいらっしゃるでしょうが、アメリカは建国当時、北東部の13州のみでした。アパラチア山脈を越えた現在の中西部や南部のミシシッピ川沿いは、当時フランス領だったのです(その前はスペイン領)。その中心だったルイジアナは国王ルイ14世から付けられた名前で、ニューオーリンズもフランスの都市オルレアンから付けられた「新しいオルレアン」の英語読みなんですよ。そんな経緯からもこの地には多くのフランス人がやってきました。ミシシッピ以東のルイジアナが1763年にイギリスに割譲された後もフランス人入植者たちの末裔がここに住み、フランス料理の要素が残ることとなったのです。

さまざまな民族文化が交差する地

次にこの地の人口構成が大きく変わることになったのは、アメリカ独立後、19世紀半ばにプランテーション農業が盛んになってからでした。最初はタバコと米、ついで綿花の栽培が盛んになりましたが、不足する労働力を補うために、多くの黒人奴隷がアフリカから連れてこられました。やがて南部では黒人奴隷の人口は、白人の人口の1/3を占めるほどになります。彼らが持ち込んだアフリカの黒人文化の中に、「料理」もありました。また、アメリカ南部はメキシコに近いこともあり、スペインの植民地文化(ラテンアメリカ料理など)の影響を受けています。そして大農園主は邸宅に客人を招いてもてなすのが習慣になり、手の込んだ料理も発展しました。こうしてアメリカ南部では、アメリカの他の地域に見られないような、多民族混合の独特の料理の文化が発達したのです。(その2に続く)