どんな食材を使って料理するの?

ニューオーリンズのクレオール料理・その1からの続きです。では具体的には、どんな素材や調理法が南部料理の特色なのでしょうか。南部といってもその範囲は広いですが、ここではニューオーリンズを中心とした代表的なクレオール料理をベースに述べてみましょう(南部料理にはケイジャン料理もありますが、共通するものも多いです)。まず湿度が高い南部のデルタ地帯では、小麦よりも米作が中心でした。したがって、お米を使った料理が多いです。また。とうもろこし、豆を主食にした料理も多いです。海や川に近いことから、魚介類を素材にした料理が多いのも特徴ですね。特にカキ、ソフトシェルクラブ、ザリガニ、ナマズはよく使われる食材です。そしてラテンアメリカに近い影響で、チリを主とするスパイスを多用するのも南部らしいでしょう。

ジャンバラヤやレットビーンズなどを盛り合わせた、ニューオーリンズ風ミックスプレートもある ジャンバラヤやレットビーンズなどを盛り合わせた、ニューオーリンズ風ミックスプレートもある

アメリカ南部で生まれたバーベキュー料理

また、奴隷制の時代に主人が肉のいい部位を取った後、固くて食べにくいリブ肉や余った内臓系を黒人奴隷に与えていたことから、それらを食材にした料理が多いのも特徴です。美味しく食べられるように時間をかけて火を通し、スパイスを入れて食べられるようにしたのです。例えば、南部ではバーベキューリブの名店が多いです。今の日本ではバーベキユーというと、野外での網焼き料理のことですが、厳密に言えばそれらは「グリル」でしょう。バーベキューは、最低でも半日、通常は丸1日から2日かけて蒸し焼きにし、柔らかくして食べる料理なのだそうです。つまり、あばらの間の食べにくく、硬いリブ肉を食べるために工夫して生まれた料理なんですね。あらかじめスパイスなどで味付けして、時間をかけて蒸し焼きにしたリブ肉は最高ですよ。日本ではなかなか食べる機会がないので、アメリカ南部では是非専門店でトライしてみてください。レストランでは15〜20ドルぐらいです。

日本でもホピュラーな「ジャンバラヤ」

南部料理の代表というと、「ジャンバラヤ」を思い浮かべる人が多いと思います。これはルイジアナ風の炊き込みごはんで、そのルーツはスペインのパエリアです。フランス人がやってくる以前はスペイン人が住んでいたこと、またカリブ海交易でスペイン植民地の人たちがやってきたこともあったのでょう。ただしパエリアに使うサフランは高価なので使いません。具は玉ねぎ、ソーセージ、チキン、シーフード、パプリカセロリ、など、店によっていろいろです。チリも入れます。もともと残り物の素材で作っていたのでしょう。日本人にはこうした米料理は口に合いますね。ニューオーリンズ風は、トマトの味付けです。中央アジア発祥のポロやピラフ、インドのビリヤニなどと似た発想ですね。(その3に続く)