発展から取り残されたおかげで古い街並みが

ニューオーリンズの歴史、前編からの続きです。さて、ニューオーリンズでは20世紀に入り輸送ルートが変わったため、ミシシッピ川沿いの現在の旧市街エリアは発展から取り残されますが、代わりに古い街並みが保存されることになります。その中心である「フレンチクオーター」の建物の多くは、1794年の火災後に建てられたもので、名前に「フレンチ」が付いていますが、これは当時の統治者だったスペイン風なのだそうです。建物は火災を考え、それまで木造そのままだった壁をレンガや漆喰で覆い、ベランダやバルコニーには装飾的な鉄のレースが造られました。しかし後から移住してきたアメリカ人移住者は、建物が密集したこの地域ではなく、その外側に一軒家が並ぶ住宅地を作りました。そのため、フレンチクオーターでは20世紀初頭までフランス語が聞けたといいます。

古い建物が残る旧市街のフレンチクオーター 古い建物が残る旧市街のフレンチクオーター

さまざまな文化がミックスした場所

2005年にはハリケーン・カトリーナが直撃し、町の8割が水没。2010年にはメキシコ湾原油流出事件の影響も受けています。しかしそのたびに町は復興してきました。今ではニューオーリンズの町もきれいになり、通りを歩く人の身なりも随分こざっぱりしています。そして全米を代表する、一大観光地として多くの観光客を集めています。アメリカの都市の多くは18世紀末に発展しましたが、それよりも100年近く古いニューオーリンズの旧市街は、スペイン、フランス、カリブ地域、メキシコなど多くの文化が垣間見られ、特にフレンチクオーターを歩けば、イギリスらしさがすっかり抜けたアメリカを感じることができるでしょう。

フレンチクオーターは町歩きが楽しい!

それでは19世紀初頭の雰囲気が残る、フレンチクオーターを歩いてみましょう。ここには歴史的な建物や博物館もありますが、ただフラフラと歩いて、疲れたらカフェでひとやすみ。夜は美味しいシーフードを食べ、音楽を聴きながらお酒を飲むというのが正しい過ごし方です。20世紀中頃にはアーティストたちが移り住んだ時期もあり、センスのいいシッョプや、ギャラリーが多いのもフレンチクオーターの特徴です。また、ここはジャズ発祥の地でもあります。そして車社会のアメリカでもここは歩行者が中心というのも、どこかスペインあたりの旧市街を歩いているような気にさせます。アメリカの歴史を感じさせる都市、ニューオーリンズ。機会があったら、行ってみませんか?