パスポートを失くしたらどうなるの?

※本記事は、2017年6月21日に書かれたものです。「海外でのパスポート再発行手順」については、必ず外務省サイトでの最新情報をご確認ください https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/pass_5.html

ニューヨークへ行った時のこと、ある超高級ホテルのフロントで、チェックインをしている最中に、パスポートを入れておいたセカンドバッグを盗まれてしまいました。カウンターに置いていたすきを狙われたのです。その日、ホテルはかなり込み合っており、そんな中に泥棒が潜んでいたのでしょう。僕はすぐに彼の後を追いました。「スィーフ(Thief)!」と怒鳴ったので、気が付いた警備員もすぐに犯人を追ってくれたのですが、裏口から外に出た時には、もうどこに行ったかわからなくなっていました。帰国日は二日後の日曜日の直行便です。セカンドバッグには、パスポートのほか、現金や航空券も一緒に入っていました。さあ、大変です。ところがホテル側は、「警察に捜査依頼はしない」、「自己責任だ」と突っぱねるのです。部屋で盗難事件が起きたならまだしも、大勢の人が行き来するロビーでは、ホテル側に過失はなかったという主張です。

パスポートを失くしてはいけない パスポートを失くしてはいけない

まず向かうのは最寄りの警察署

よほどの大金でも盗まれたなら、捜査してもらえるかもしれませんが、被害額は数万円程度と大したものではありませんでした。それよりも問題は、パスポートを失くしたことです。しかもこの日は金曜日の夕方で、日本領事館は閉まっています。どうしたらいいかわからないまま、当面の作業として、被害届を出し、盗難証明書を交付してもらうべく、歩いて警察署に向かいました。そこはニューヨーク7分署。ドラマになった警察署で、金網の柵や、手錠を掛けられた人、号泣する女性など、まさに刑事ドラマの警察署そのものでした。被害に遭った時間や場所、被害品目などを聴取されます。この盗難証明書は、後日帰国後、海外旅行者傷害保険の請求にも必要になります。書類ができたのは、もう深夜になっていました。この時点では、まだ予定どおりに帰国できるか定かではありませんでした。

パスポートは肌身離さずが鉄則

翌日、朝一番で航空会社のオフィスに向かいました。当時はまだeチケットではありませんでしたが、再発行手続きをしてもらいます。さて問題は、やはりパスポートです。こんな場合には、世界各地の日本領事館では「帰国のための渡航書」を交付してくれます。ここでも運転免許証が身分証明書代わりになり、警察の証明書、航空券も合わせて必要で、なおかつ日本へ直行で帰国する便でなければなりません。航空会社の人は、領事館が休みのために、特別措置を取ってくれました。翌日、機長と相談の上、また日本の出入国管理局と連絡の上、「機長預かり」という身分で、特別に搭乗を許されたのです。ですから日本に降りたつや、出入国管理局職員の同行の元、別室で入国手続きをすませたのです。「パスポートは肌身離さず」と、こんこんと説教されたのは言うまでもありません。