人気料理家が一転、自身の発言でどん底に

先日ジョージア州サバンナを旅行した折、「クイーン・オブ・サザンクッキング」として知られるセレブリティ料理家、ポーラ・ディーンのレストラン「レディアンドサンズ(Lady and Sons)」の前を通りかかりました。自身のキャリアは人種差別発言のせいでどん底に落ちてしまいましたが、彼女のレストランは現在もそれなりに盛況な様子。彼女のニュースが全米中で話題になったのは、かれこれ2年ほど前のことです。

料理番組で初めて知った、彼女の存在

わたしが初めて彼女の存在を知ったのは、「フードネットワーク」というアメリカのケーブルテレビでした。自身の番組で彼女は、毎回バターをたっぷり使った高カロリーの南部料理を紹介していました。でもその家庭的な味が受けていたようで、彼女のレシピ本はもちろん、ショップとタイアップした「ディーンブランド」のデザートや総菜、キッチン用品などがとても人気だったようです。もちろんわたしの周りのアメリカ人は、全員彼女のことを知っていました。

ケータリングから一大帝国を築き上げた女王

若い頃は結婚生活などがうまくいかず、2人の息子と弟を養うためにさまざまな職を経験したという彼女。その後に始めたケータリングサービスが大当たりし、2年後にはレストラン事業へ進出するまでに。そしてついにはアメリカで知らない人はいないほど有名になった彼女ですが、その今まで築いてきたキャリアが一気に崩れされる事件が起こります。それが人種差別発言です。

致命的なミスで、一夜ですべてを失うハメに

彼女への人種差別発言が浮上したのは、かつて彼女のレストランで働いていた元従業員に訴えられたのがきっかけです。そのため彼女はニュースショーで釈明会見を開きましたが、その際「(30年前ではあるものの)差別用語を使ったことがある」と認めてしまいました。さらに彼女は黒人に対する差別が最も厳しかった南部ジョージア州出身の白人ということで、大バッシングを受けることになってしまったのです。

人種差別にはいまだ敏感なアメリカ社会

彼女の人種差別問題がエスカレートした要因は、自身が「(黒人に対して)フェアな白人である」ことをあえてアピールしていたことだったと言われています。「アメリカン・ドリーム」を実現させたものの、過去の人種差別発言ですべてを失ってしまったポーラ・ディーン。改めていまだにアメリカは人種差別に対して敏感な国であると痛感した出来事でした。