モールの中で独自の雰囲気を放つ博物館

スミソニアン博物館群をはじめ、数々の博物館が建ち並ぶナショナル・モールの中でもひときわ異彩を放っているのが、「ホロコースト・ミュージアム」です。「ホロコースト(ギリシャ語で『焼けたいけにえ』という意味だそうです」とは、ナチス政権とその協力者たちによるユダヤ人600万人に対する迫害、殺戮のことを指します。この博物館では、ナチスが大量のユダヤ人を虐殺するまでの経緯をさまざまな展示物で紹介しています。そのため、他の博物館のように決して見ていて楽しいものではありません。にもかかわらず、わたしが訪れた際にはたくさん人たちで混み合っていました。

異彩を放つ「ホロコースト・ミュージアム」 異彩を放つ「ホロコースト・ミュージアム」

見学は4階から、各階それぞれにテーマが

まずは当日の午前中に整理券をもらいに行き、午後から入館しました(人気の博物館なため、早めの整理券確保がおすすめです)。見学は4階から始まるのですが、「ナチの攻撃(THE NAZI ASSAULT)/4階」、「最終解決策(THE FINAL SOLUTION)/3階)、「最終章(THE LAST CHAPTER)/2階)と、各階それぞれにテーマがあります。4階ではナチスの台頭から第二次世界大戦勃発までを紹介。ここではナチスがどのように国民を洗脳し、後の組織的大虐殺を可能にしたか、さらに「アメリカがこれらの出来事にどのように対応したか」を学ぶことができます。

思わず目を覆いたくなる写真、展示物も

「最終解決策(THE FINAL SOLUTION)」=大量殺戮がテーマの3階。ユダヤ人たちを排除するためのこの計画には、ロマの人々やポーランド人、セルビア人、ロシア人、同性愛者なども含まれていて、その数は900万人とも1100万人とも言われています。残虐で悲惨な写真やビデオが続き、中には思わず目を覆いたくなるものもありました。特に残忍なものは壁の上部に展示され、子どもからは見えないように配慮されているのが印象的でした。

すべてを見終えて、改めて感じること

すべての展示物を見終わった後、ナチの台頭からユダヤ人が人間としての権利を失っていく様子、大量虐殺に至るまでの過程を、具体的に理解することができました。が、それらの衝撃的な内容は言葉にすることはできません。見学後もしばらくは落ち込んでしまいましたが、それでもいろいろなことを考えるよいきっかけになりました。