世界の果てのいろいろ

アルゼンチン最南端の町、ウスアイアは南極圏までたったの1250kmという、「世界最南端の都市」として有名です。自然の魅力もありつつ、冬場は極寒の不毛の大地であることから、20世紀前半には刑務所が設置され、たくさんの囚人がこの土地に送られました。この刑務所の囚人、ただ収監されていたのでは、ありません。流刑地であり一般犯罪者や政治犯、死刑一歩手前の重い禁固刑を受けた罪人が収容され、多いときで600人を超える人数でした。

囚人が作った鉄道路線。世界最南端の駅はアルゼンチンに 囚人が作った鉄道路線。世界最南端の駅はアルゼンチンに

囚人が作った世界最南端の線路

囚人たちは、1年中寒いこの土地に必要な資源確保の労働力として利用され、山の開拓を行いました。その際、材木などを運ぶために山から町への鉄道建設が始まりました。この線路は、現在観光列車が走行しており、「世界の果て号」と呼ばれています。ツアーまたは個人で列車に乗ることができますが、駅は町周辺ではないため、向かうためにはタクシーが必要です。駅舎は趣のある木造の大きな建物。駅の向こうに、蒸気機関車の蒸気が見え、とてもワクワクしました。

日本人をはじめ、多くの観光客が

チケットを購入し、駅に入ると囚人と鉄道の歴史を紹介した博物館があり、さらに世界各地の国旗が掲げられていました。なぜか、アメリカの国旗がありません。日本の国旗は、韓国の国旗と台湾の国旗の間にあります。改札でチケットを見せると線路の紹介を記載したパンフレットが貰えます。なんと日本語版もあります。こんなにも日本から離れた場所ですが、たくさんの日本人が訪れていることが明らかです。

険しい自然をゆったりと眺める時間

ゆっくりと運行される列車の客室は、4席で1室のコンパートメントです。車窓からは、険しい自然と開拓の歴史を物語る切り株がたくさん見られます。途中駅では停車時間が設けられています。この大地の歴史を英語とスペイン語で記載した看板がいくつも見えました。その後、列車はゆっくりと「フエゴ国立公園」入り口まで進み、ツアー参加者は終点駅でバスに乗り換えて公園に向かい、列車のみ乗車の人は元の駅に戻ります。日本で乗る列車と異なる車輌、線路から極寒の地の歴史を探求してみましょう。