世界で最も高い場所にある首都と町

南米のアンデス高地にあるボリビアの首都ラ・パスの標高は3650m。「世界で最も高い所にある首都」であるこの都市は、周囲を山肌に囲まれたすり鉢状の地形の中にあり、そのため場所によりかなりの高低差があります。その“すり鉢”の上にある町が標高4150mのエル・アルトです。この町は「世界で最も高い所にある町」としても知られていますが、別の町というよりラ・パスからひと続きの郊外で、毎朝、人々はそこからラ・パスに通勤や通学をしています。しかし、今までその交通手段はバスや車しかなく、交通渋滞が問題になっていました。それを解消するために作られたのが、両都市を結ぶロープウェイの「テレフェリコ」なのです。

標高4000mの絶景。ボリビアのラ・パスに開通したロープウェイ「テレフェリコ」(前編) 標高4000mの絶景。ボリビアのラ・パスに開通したロープウェイ「テレフェリコ」(前編)

標高差がある都市ならではの交通手段

ロープウェイは英語なので、以降は現地呼称(スペイン語)の「テレフェリコ」で述べましょう。高低差が極端にある都市では、道路を作るとなるとジグザグにならざるを得ず、直線では短くとも実際の移動には時間がかかります。そこで直線で結ぶことができる交通手段としてテレフェリコが導入されたのです。構想では市内に4路線。大都市の地下鉄のように駅を多く作り、人の移動をスムーズにしようという考えです。一番高い場所のエル・アルトが標高4150m、一番低いラ・パス南部のサンフランシスコ地区が標高約3000mという、高低差が1000mもある都市ならではの交通網ですね。その最初の区間が2014年5月30日に開通しました。ラ・パス中心部に近い「Taypi Uta」駅からエル・アルトの「Jach’a Qhathu」駅までを結ぶ3駅2.6km、約10分の距離です。開通式にはボリビアの大統領もやってきて、盛大にこのテレフェリコをアピールしました・

できたばかりのテレフェリコに乗車!

さて、2014年9月、開通からまだ3ヵ月あまりしか経っていないこのテレフェリコに乗ってみました。ラ・パスの乗り場は、旧鉄道駅舎(今は鉄道は走っていない)に隣接してあります。この駅舎は大がかりな改装工事中だったので、今もこのエリアの再開発がされているのでしょう。テレフェリコのチケット代は片道3ボリビアーノ、約50円です。ボリビアの物価は日本の4分の1ほどなので、地元の人たちにとっても適正価格でしょう。運行時間は、5:30から22:30までです。朝夕は通勤で混むと聞いていたので、空いていそうな11時頃に行ってみました。インフォメーション(英語可)もあり、駅のスタッフも親切に応対してくれます。改札を通り、いよいよ乗車です。ゴンドラの数は多く、20秒おきぐらいに出ており、ひとつ逃してもすぐに次のものが来ました。ひとつのゴンドラには着席で10人ぐらい乗れそうですが、この時はガラガラだったのでひとり占めできました。(後編につづく)