奇怪な顔があなたを見つめる「半地下神殿」

ボリビアの世界遺産「ティワナク遺跡」の続きです。地上部分がすでに失われてしまい、現在「半地下神殿」と呼ばれている建物は、半地下の石壁の積み石の間に180個の人の顔の浮彫りがあるユニークな建物です。この「顔」は、ひとつとして同じものがないというほどバラエティに富んでいます。なかには“宇宙人”ぽいものや、ガイドが“日本人、あるいは中国人”という目が細くて吊り上がった人物の顔もあります。ガイドは、「古代に東アジアと交流があった証拠」「宇宙人が来たのかもしれません」などと言いますが(本人は真面目)、それは違うでしょう(笑)。古代の南米では、指が4本の子や顔が変形した子が生まれると、“神の子”として崇めるという慣習があったようです。古い土器にはそうした絵がよく描かれているので、ここにある“奇怪な顔”の数々も、そういったもののひとつだったのかもしれません。

南米の世界遺産 ボリビアの古代文化の遺跡・ティワナク その3 南米の世界遺産 ボリビアの古代文化の遺跡・ティワナク その3

ゆっくり遺跡を見学して途中で昼食

「カラササーヤ」と呼ばれる広場には、モノリート(石の立像)が建っています。ひとつの石に人物の彫刻を施したモノリートは、かつては数多くあったようですが、今では数体しか残っていないようです。ここには「ポンセ」と「エル・フライレ」いう2つの立像が残っていました。そのそばには「太陽の門」と呼ばれる彫刻が施された石の門が残されています。これらの遺跡をガイドの案内で2時間ほど回ったあと、ティワナクの村の食堂で昼食です。ミニビュッフェで35ボリビアーノ(約600円)でした。味はまあまあでした。

最後の遺跡を見た後、帰途へ

食後はメインの遺跡から500mほど離れた所にある、「プーマプンク」の宮殿跡を見学。ただし“宮殿跡”といっても破壊がひどく、建物を造っていた石材が並んでいるだけといった感じです。それでも石材にはさまざまな形をした“窪み”が施されていて、興味深いものもありました。ここを30分ほど見学し、あとはミニバスに乗ってラ・パスに戻ります。戻ったのは遅い午後。なんだかんだで1日がかかりになってしまいました。

ボリビア随一の古代遺跡だが…

正直な感想ですが、ティワナクはアンデス文化の重要な遺跡ですが、石材の多くは破壊されて運び出されてしまっているため、広い割には見るものが少ないのが残念でした。ガイドの説明がないと、たぶんあっさりと見て回れてしまいます。ガイドの説明も私たちのガイドが良くなかったのか、「それは違うだろ」という突っ込みどころ(“地球外文明”との関わりや、“南米で一番の文化”などを大真面目で言われてしまう)もありました。また、発掘後の復元もまちがっていた場所があることが指摘されており、修復にも問題があるようです。ペルーのすばらしいインカ遺跡の数々と比べてしまうと、ラ・パスから1日かけた割には“いまひとつ”でしょう。しかしここ以外、ボリビアにはペルーのような大きな遺跡がないので、底上げされているのも仕方ないのかもしれません。ボリビア人にとっては、このティワナク遺跡がボリビアと言う国のアイデンティティの源であるからです。