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海外現地発ガイド通信

廃墟の世界遺産「ハンバーストーンとサンタ・ラウラの硝石工場群」


掲載日:2019/05/23 テーマ:世界遺産 行き先: チリ / イキケ

タグ: すごい! 一度は見たい 一度は行きたい 世界遺産 素晴らしい 珍しい


世界で最も乾燥した砂漠のど真ん中にある廃墟

受付を過ぎて中に入ると、そこにはかつての労働者移住区が広がっていました。家の中にはかつて使われていた様々な料理道具や仕事道具などが壁に展示されていました。 受付を過ぎて中に入ると、そこにはかつての労働者移住区が広がっていました。家の中にはかつて使われていた様々な料理道具や仕事道具などが壁に展示されていました。

みなさんこんにちは、今回は先日行ったチリ北部の町イキケ近辺にある世界遺産についてご紹介したいと思います。チリにはモアイ像で有名なイースター島や、カラフルな港町バルパライソなどが世界遺産として登録され有名ですが、今回ご紹介するハンバーストーンとサンタ・ラウラの硝石工場群も2005年に世界遺産として登録されたとっても興味深い世界遺産です。そんな世界遺産が立つのは、世界で最も乾燥したアタカマ砂漠。周り一面を見渡しても虫や動物や草さえも無い砂だけの大地が広がり、大地をイキケからバスで走ること約1時間、砂漠のど真ん中に世界遺産の廃墟が現れます。

始まりは今から約150年前。豊富な資源が戦争にまで発展。

子供の学校内部。かつてどんな内容の授業が行われていたのか、工場で働いて生活するための教育などが頻繁に行われていたのだろうか…。 子供の学校内部。かつてどんな内容の授業が行われていたのか、工場で働いて生活するための教育などが頻繁に行われていたのだろうか…。

工場の歴史は古く、今から約150年前に化学肥料を作る硝石工場がサンタ・ウララに作られたのが始まりでした。世界的な人口増加にともない化学肥料の需要は世界中で高まり、工場は急成長。最盛期には南米だけに限らず、ヨーロッパやアジア、日本へまでもチリの工場で作られた安く品質の高い化学肥料が輸出されていました。しかし工場が建つあたり一体は元々ペルー領で、広大な砂漠の領土に埋まる硝石は隣接するペルー、ボリビア、チリ3国にとっての資源争いの種となり、1879年から1884年にかけての太平洋戦争(別名・硝石戦争)にまで発展してしまいました。結局チリが領土を得て現在に至ります。

大量虐殺にまで発展した硝石工場の暗い歴史

中には広場も作られていました。広場に面して教会や劇場などもあり、そこを背景に当時の衣装に着替えて写真撮影なども行えます。衣装レンタルと撮影込みでひとり2,000ペソ(約350円)。 中には広場も作られていました。広場に面して教会や劇場などもあり、そこを背景に当時の衣装に着替えて写真撮影なども行えます。衣装レンタルと撮影込みでひとり2,000ペソ(約350円)。

この硝石工場群には、労働者やその家族たちが住み込みで暮らしており、その敷地の中には労働者の住居、学校、病院、教会などがつくらていました。またチリ国内外から営業などに来たお金持ちたちを接待するためのホテル、プール、劇場などの施設までもが作られていました。労働者たちは、給料の支払いをこの工場群の中でのみ使用可能なお金で支払われ、工場の所有者によって自由を奪われたような状態で生活していました。1907年には工場で働く労働者やその家族などが工場から逃げ、近隣の町イキケにある学校でチリの政府が指揮する軍隊によって多くの人が殺害された歴史もあります。殺害された人数は定かではありませんが、チリ政府の発表によれば126人、その他のデータでは700〜3,600人近い人が殺害されたといわれています。

当時生活を送っていた人々の日常生活をそのまま垣間見る

キッチンを抜けると外の庭には、動物を飼育していた籠のようなものもありました。 キッチンを抜けると外の庭には、動物を飼育していた籠のようなものもありました。

その後、工場は一時作業停止にも追い込まれましたが、1960年代まで工場は稼働し続けていました。その後工場が打ち棄てられた後はゴーストタウンと化し、1970年には国定史跡となって観光客に公開され、2005年には世界遺産として登録されました。もともと多くの人が生活をしていた工場群がそのまま廃墟になったので、労働者たちの家には当時使っていたベッドや子供のおもちゃなどもそのまま置かれていたり、学校の教室の中に並べられた机には当時の子供達が描いたであろう落書きが残っていたり、工場の中には錆びついた機械がそのままの状態で置かれているので、当時の子供達やそこに住んで家庭を支えていた大人たちはどんな気持ちで働き、生活を送っていたのか、色々なことを考えさせられる場所でした。ゆっくりと時間をかけて歩きながら、色々な思いと向き合いながらぜひ過ごしていただきたいオススメの場所です。

【関連情報】

ハンバーストーンの工場の一つ。天井が高く、トタン屋根は風と砂で風化がどんどん進んでいる状態でした。現在この世界遺産は、そんな理由から危機遺産にも指定されているのだとか。 ハンバーストーンの工場の一つ。天井が高く、トタン屋根は風と砂で風化がどんどん進んでいる状態でした。現在この世界遺産は、そんな理由から危機遺産にも指定されているのだとか。

◆ハンバーストーン・サンタウララ硝石工場群◆
http://www.museodelsalitre.cl

<料金>
大人:4,000ペソ(7歳まで無料)
学生:2,000ペソ
60歳以上:3,000ペソ
(2019年4月現在1ペソ=約0.16円)

<開館時間>
12月〜3月15日 09:00 - 19:00
3月16日〜11月 09:00 - 18:00 hrs
1月1日以外毎日開館

<行き方>
イキケの町にあるツアー会社に直接申し込みをするか、イキケ市内にある「センテナリオ市場」に面したバロス・アラナ通り沿いにいくつか小さな乗合バスやタクシー乗り場があるので、そこを利用するとハンバーストーンまでノンストップで連れて行ってくれます。帰りの時間などは要確認!

・Buses Chacon
住所:Barros Arana 957, entre Zegers y Latorre
電話:057 763934 (Iquique)
時間:7時30分〜19時30分

・Taxi Pampa y Mar
住所:Barros Arana c/ Sargento Aldea (mercado Iquique)
電話:057 329832 (Iquique)
時間:5時〜21時

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2019/05/23)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
 提供情報の真実性、合法性、安全性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。
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