チリ最大の湖はなぜエメラルドグリーンに輝いているのでしょうか

南米チリ、最大の湖はパタゴニア中部にあるヘネラル・カレーラ湖です。首都サンチアゴから南へ約1400km。チリとアルゼンチンの両国にまたがる国際湖で、アルゼンチンではブエノスアイレス湖と呼ばれています。深さは586m。両国とも湖のおよそ半分ずつを分け合っています。このあたりの山々は石灰質の岩でできています。そこから湖に流れ込む水も石灰分を含み、それが湖底に沈殿することで独特の乳白色を帯びます。石灰分は水の中のゴミを吸着する性質があるので、水は透明に澄みわたり、晴れわたった日は、その湖の水が空の青を映して、乳白色から鮮やかなエメラルドグリーンに輝き始めるのです。

パタゴニアの氷河が作り出したエメラルドグリーンのヘネラル・カレーラ湖 パタゴニアの氷河が作り出したエメラルドグリーンのヘネラル・カレーラ湖

ヘネラル・カレーラ湖の最大の見どころは?

ヘネラル・カレーラ湖の見どころは、美しい湖水だけではありません。湖の中央部にある洞窟が最大の見どころといえるでしょう。この洞窟は「世界で最も美しい洞窟」とさえ呼ばれています。この洞窟の大理石と石灰岩でできた岩が長い間にわたって独特のかたちに浸食され、それがエメラルドグリーンに輝く湖の反射光を受けて、神秘的な青い色を帯びるのです。その美しさからこの洞窟は「マーブル・カテドラル(大理石の聖堂)」と呼ばれています。洞窟には聖堂のようにいくつものアーチがかかっているように見えます。

パタゴニアが生み出した神秘的な風景

パタゴニア一帯は寒く、湿った気候ですが、ヘネラル・カレーラ湖だけは晴れの日が多いという特異な気候をしています。パタゴニアの荒々しい自然の中にあって、この湖だけはまるで世界が異なるかのように静かな美しさをたたえています。氷河の進出によって削り取られ、堰き止められたことによってできた湖ですが、湖の岩が大理石と石灰岩なのは、火山活動による偶然です。パタゴニアの自然が作り出したその環境と造形は、神秘的で不思議な風景なのですね。パタゴニア中部は見どころが少ない地域といわれていますが、この青い湖はぜひお見逃しなく。