世界で最も美しい川とはどういう川?

1年のうち、たった2〜3週間だけ姿を劇的に美しく変える川があります。南米コロンビアの首都ボゴダから南へ約230kmにある、シエラ・デ・ラ・マカレナ国立自然公園を流れる川キャノ・クリスタレス。全長およそ100kmのその川は、容易に人が近づくことができない僻地にあります。普段は何の変哲もない普通の川なのですが、ある時季になると、川の流れが虹色に変わり、そのあまりの美しさに「世界で最も美しい川」と呼ばれているほどです。いったいなぜそのようなことが起きるのでしょうか。

人々から隔絶された秘境を流れる虹色の川キャノ・クリスタレス 人々から隔絶された秘境を流れる虹色の川キャノ・クリスタレス

なぜ川の色が虹色に変わるのでしょう

この一帯の乾季は9月から11月ですが、雨量が減ると川の水位が下がります。すると、太陽の熱で川の水温が上昇し、川底に生えている水草や苔がその色を変えていくのです。水草は赤やピンクに、苔は黄色にドラマチックに変化し、それに緑色の藻や、青い空を映し出す水面の色が混じって、川は虹のような鮮やかな色に染まってしまうのです。それも3カ月の乾季のうちのわずか2〜3週間。それがいつになるのかは誰にもわかりません。その年々の自然の条件だけが気まぐれに決めてしまうからです。世界でいちばん美しい川と呼ばれながら、その姿を見ることができるのは本当に運のいい人だけかもしれません。

この美しい川が流れる場所

この美しい川を見るのが難しいのは時季の問題だけではありません。もともとここが車で行くことがかなわないような僻地にあるだけでなく、周辺地域では麻薬組織によるゲリラ活動が盛んで、治安にも重大な問題がありました。また、この微妙な自然のバランスを多くの観光客が押し寄せることで破壊されないように、国立公園も長きにわたって閉鎖されていたのです。そのようなわけで、ここは長く人々から隔絶した秘境中の秘境でした。それが、2009年になって国立公園が再開され、観光客が行けるようになりました。それでもやはり運がよくないとだめで、この美しい川の姿と出合うのは簡単ではないかもしれませんね。