スペインの植民地時代の中心だった町

「キューバの世界遺産・カマグウエイ」前編からの続きです。キューバ第3の都市カマグウエイは、16世紀にスペイン人によって建設されました。19世紀まで続いたスペインの植民地時代の間、この地で栽培されたサトウキビの製糖加工と商業が発達し、植民地経済の中心地であり、また内陸部の交通の要所となりました。その当時の面影を今に残す旧市街は、世界遺産に登録されています。この町には16の教会や礼拝堂がありますが、それぞれの前にある広場や公園が、市民の憩いの場になっています。広場と広場を結ぶ石畳の路地は入り組み、その道の両側の外壁はパステルカラーで塗られたコロニアル建築が並んでいます。

一昔前にタイムスリップしたような、ノスタルジックな風景 一昔前にタイムスリップしたような、ノスタルジックな風景

迷路のような路地をさ迷い歩く

私も早速、宿で借りた地図を片手に町歩きを開始しました。建物がパステルカラーに塗られているのはトリニダードとよく似ていますが、“田舎の小さな町”といった風情のトリニダードに比べて、もっとあか抜けた都会の雰囲気が感じられます。見どころであるいくつかの教会を目指すのですが、なにしろ道がわかりにくい!! あちこちに案内図が設置してあるのですが、道がハバナやサンティアゴ・デ・クーバの旧市街のように碁盤の目になっておらず、くねくねと曲がっているので、なかなか思ったところにたどり着けません。まるで迷路のようです。

町に残る名物の壺「ティナホネス」

しかし、これこそがカマグウエイの街歩きの醍醐味かもしれません。ツーリストが少ないからか人々は穏やかで、道を尋ねるとみんなすごく丁寧に教えてくれます。ちょっと裏の方に入ると建物の壁は彩色されておらずボロボロのままで、その古色蒼然とした家並みの中を自転車タクシーがガタガタと走っていくのを見ていると、なんだかタイムスリップしたような感覚に陥ってしまいます。町のあちこちに置いてある大きな素焼きの壺ティナホネスはカマグウエイの名物で、雨水を溜めるために使われてきました。昔はこの壺の大きさや数が裕福な家庭のステータスになっていたといいます。

キューバの中でも洗練された旧市街

カマグウエイは他の都市に比べて外国人ツーリストが少なく、旧市街も中心部を離れるとひっそりと静かです。一方、中心部のマセオ通りやレプブリカ通り一帯は、他の都市より洗練されていて清潔。ショッピングやそぞろ歩きを楽しむ地元の人たちでにぎわっていました。また、人民ペソ払いのローカルなレストランやバーが多く、ビックリするほどお値打ちで美味しい料理が食べられるのもこの町の良さでしょう。カマグウエイは、キューバの都市の中ではちょっと異質な、見慣れたキューバの街に疲れた人におすすめの落ち着いた街でした。