- tomoyot
- 東京在住。幼少時代からの放浪癖をこじらせ、いい大人になっても編集業の仕事を休んだりやめたりしては旅に出ていましたが、この度晴れてフリーランスに。インド仕込みのヨガインストラクターだったりもします。
出発エリアをに変更しました。
醤油とネギと一緒によくかき混ぜて召し上がれ
醤油、味噌、豆腐、納豆……。長期間海外を旅していると、日本人の大豆依存の強さに気付く人は多いと思います。醤油はわりとどこでも手に入りますが(といっても中国産の風味が弱くて甘いものが多い)、味噌や豆腐となると、大都市でもなければなかなか見つけることができません。ましてや納豆なんてある訳もなく…。それゆえ私は日本を出て半年以上、大好きな納豆のことは思い出さないようにしていたのですが、ふらりと立ち寄ったサンフランシスコの日本人街のスーパーで納豆を発見していまいすっかり納豆スイッチがオン。最後の1パックを大切に携えて、その後の移動先のグアテマラでもしばらく納豆を食べるべく、納豆菌培養大作戦です!
材料は大豆のみ。大豆ならどこの国でもありますね。まずは、1カップ程度の大豆をよく洗って一晩水に浸けておきます。大豆が十分に水を吸ったら火にかけて4〜5時間茹で、柔らかくなった大豆が熱いうちに(ここが重要!)大切に持っていた納豆スプーン1杯程度と和えます。あとはきれいに洗った容器に入れて30〜40度を24時間キープします。炊飯器や発泡スチロールがあれば楽なのですが、そんなものはなかったので、日中は黒い布に包んで日向に放置、夜はお湯をはった皿を下において2〜3時間おきにお湯を入れ替えるという涙ぐましい努力をしていました。豆の表面に白い膜ができて糸がひいたら発酵完了です。
と言っても食べるのはまだ我慢。冷蔵庫で1日以上熟成させることで旨味を引き出します。そうして、ついに、やっと、完成! 炊き立てごはんにのせて、いただきます! ゆっくりと噛みしめて……味といい食感といい、まぎれもなく納豆です。ちょっと茹で時間が短かったのか豆が若干固かったですが、その分大豆の風味がしっかりしていて上等な納豆を食べているようでした。スプーン1杯から納豆ごはん5〜6杯分の納豆ができましたよ。これを続けていれば永遠に納豆が食べられますね。しかし作業開始からありつけるまで実に4日がかりとは、なかなか根気がいります。
それにしても、菌の培養は生き物を飼育しているようでとても楽しい。菌のご機嫌が気になって夜も眠れないだけに、無事完成したときは大切に育てた我が子が立派に巣立ってくれたような気持になり感無量です。ちなみに、グアテマラのアンティグアの日本人宿「ペンション田代」では、納豆が買えるそうです。また、粉状の納豆菌なるものも日本で市販されているようなので、これを持って旅をするという手もありますね。みなさんも無性に納豆が食べたくなったら、諦めないでぜひ手作りにチャレンジしてみてください。異国の地で食べる丹精込めて作った納豆は、日本で食べるものとはひと味もふた味も違う、とても味わい深いものですよ。
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2016/03/21)
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