南米でも影が薄いギアナ3国とは?

日本から遠い南米大陸。そこにいくつ国があるか知っていますか? ブラジル、アルゼンチン、ペルー…とあげていって、最後の方に「あ、右上の方にまだ小さな国があったっけ?」という人が多いのではないでしょうか。それが南米北東の沿岸部にある「ギアナ3国」と呼ばれている3つの国です。厳密には西側のガイアナ、スリナムの2つが独立国、一番東にあるのがフランス領ギアナです。このあまり知られていない(影が薄い)国々のうち、今回は一番西側にあるガイアナを紹介します。

南米にインド人が多く住む国があった!?  英語が公用語の国、ガイアナへ(前編) 南米にインド人が多く住む国があった!?  英語が公用語の国、ガイアナへ(前編)

「英領ギアナ」としての歴史

これらの3国は、西からそれぞれイギリス、オランダ、フランスが植民地化したので、当時の線引きがそのまま残っているのです。他の南米諸国の公用語がスペイン語かポルトガル語なのに、このエリアだけ違うのもそのためです(ガイアナの公用語は英語)。当初この地にはオランダ人が入植していましたが、現在のガイアナの部分は1814年にイギリスの植民地になり、のちに「英領ギアナ」と呼ばれるようになりました。当初、サトウキビのプランテーションなどが作られ、アフリカから黒人奴隷が連れて来られました。しかしすぐの1834年には奴隷制が廃止され、その後はさまざまな人々が労働力として呼ばれてきます。とくに当時、英国の植民地だった英領インドからは多くのインド人が契約移民としてやってきたのです。

複雑な民族構成のまま独立へ

1966年にガイアナは独立します。しかしガイアナは他の多くの南米諸国と比べ、その民族構成が特殊です。一番多いのが4割近いインド系なのです。次いでアフリカ系黒人が3割、混血が2割弱、残りの1割を先住民のインディヘナや白人、華人などが分け合っているのです。各民族を代表する政党が争い、政情不安が続きましたが、2000年代以降は安定しており、観光には問題ありません。

ガイアナの風土はどんなもの?

本州よりやや小さいほどの面積に住んでいるのは、たった80万人あまり。その9割は沿岸部に住み、内陸の多くを占める熱帯雨林地域は未開発の土地がほとんど。そんな訳で、南米にありながら、文化的にはカリブ海地域に近い国と言えるでしょう。気候は雨季と乾季がある熱帯雨林気候。どちらかといえば雨が多く、湿度が高い地域なので、植民地時代には多くの移民が風土病に苦しめられました。

小説「失われた世界」の舞台

ベネズエラやブラジルとの国境地域は、高い台地や山が続くギアナ高地です。有名なのはベネズエラとブラジル国境にある標高2810mのロライマ山でしょう。山といっても上部が平らになったテーブルマウンテンで、周囲を人を寄せつけない切り立った崖に囲まれている姿は「軍艦」にもたとえられ、見るものを圧倒します。山頂には3か国の国境を示す「トリプルポイント」があります。この山は、コナン・ドイルの小説「失われた世界」のモデルになったことでも有名ですね。(後編につづく)