日本では、長距離バスで、途中乗り換えなどないですよね。

前編からの続きです。僕はKさんがいなくなってからも、しばらくガソリンスタンドで待っていました。一人、また一人と旅行者たちは、大型バスやミニバン、タクシーに乗り込み消えて行きます。僕のバスは来るのだろうか? 誰だって不安になりますよね。するとようやく、どこからともなくミニバンがやってきて、行き先のサン・ペドロ・ラグーナと、僕の名前を呼んでくれます。ホッとひと息。細くて狭い山道をミニバスは駆け降りるように走ります。時折小さな集落と、色鮮やかな民族衣装を着た人々がいます。グアテマラは、中米で、女性の民族衣装着用率がもっとも高いのではないでしょうか。普通の人たちを見ているだけで、楽しくなってしまいます。だから人気があるんですね。小一時間ほど走って、ようやく到着。市場は現地の人たちでにぎわっていました。

市場で、民族衣装姿のグアテマラの女性たち 市場で、民族衣装姿のグアテマラの女性たち

偶然は、必然なのかも。時には恋に発展することも……

数日後、湖畔の小さな町でKさんに遭遇しまました。三度目の偶然です。縁がある人とは、なぜか何度も会ったりするのが旅ならではです。旅の方向と時期が重なると、こういうことって結構あるんですよね。時には恋に発展することもあるようですが……。「だいじょうぶだった?」と僕の質問に、彼女は、「ハイ! バスの料金しか払ってないのに、タクシーに一人で乗せてもらって、悪かったような」そう言って、頭をポリポリかいていました。僕たちはしばし話して、行き先の違うボートに乗り込み、アティトラン湖で別れました。

複雑怪奇なバスシステムを使いこなせるのなぜ?

このあたりでは、出発地から到着地をツアーバス一台で運行するのではなく、大型バスとミニバス、ミニバン、タクシーが、携帯電話で連絡を取り合いながら、それぞれの分担地区で手配して、移送しているようなのです。しかもそのことを事前に客に伝えていないので、不安になってしまうのです。中米では、大型バスは主にハイウェイを走り、枝道にはミニバスとミニバンが控え、ごく少人数の時にはタクシーまで配車されるのです。その複雑怪奇な手配を、どこかの配車センターでしている様子もなく、しかしとても確実に、かつ安全に運航しているのでした。いったいどうなっているのでしょうか。大いなる謎は、いまだに謎のままです。