色々なソースをトッピングして、その時々で複雑な味を楽しもう
ユネスコ無形文化遺産に登録された伝統的メキシコ料理
マヤやアステカ文明が栄えた数千年前から、トウモロコシや豆や唐辛子を使った料理が食べられてきたメキシコ。1821年に独立するまでスペインの支配が300年ほども続いたため、現在のメキシコ料理は先住民族料理とスペイン料理との融合である。しかしスペインの影響を受けながらも、メキシコ古代の調理法や伝統料理を守り続けてきた。そして2010年11月にユネスコ無形文化遺産に登録されたのだ。和食も2013年に登録されたけれど、食文化としての登録はメキシコ料理が初めてだそうだ。
エビのトスターダ。これでもか!とたっぷりの具がトッピング。
主食のトルティーヤにはメキシコ人のこだわりが!
トウモロコシの粉を水で練って焼いた薄い皮「トルティーヤ」がメキシコ人の主食である。おかずを挟めばタコス、さらにその上にソースをかけて焼いたものが「エンチラーダ」。ちなみにブリトーのトルティーヤは小麦粉が原料の柔らかい食感のトルティーヤ。他にもソパ・デ・トルティーヤ(トルティーヤスープ)、モレ・ポブラーノ(鶏肉のチョコレートソース)、セビーチェ(魚介のマリネ)などなど、メキシコ料理は4000以上の種類があると言われている。でも基本はメキシコ人がこだわるトルティーヤ!やっぱり本場でこそ味わえる伝統の味なのである。
レストランでも出せるところはほとんどない、カルニタス専門店の豚肉タコスは最高!
港町エンセナーダで一番のお勧めは食!食!食
エンセナーダはとってもこじんまりした田舎町だ。この記事で最後になるけれど、この町で本当にお勧めしたいのが屋台料理。まずはエンセナーダ名物のフィッシュタコス。港から山手に何ブロックかの範囲に10件以上ある。魚はサメを使っているのだが、まるで鯛のような淡白な味。小ぶりのトルティーヤの上に、キャベツの千切りと揚げたての天ぷらを乗せて手渡してくれるので、あとは好みで色々なサルサやソースをかけて手巻きしてほおばる。キーライムを絞りかけて食べるこのフィッシュタコスは、きっと他では味わう事の出来ない忘れられない味になるだろう。
屋台のカウンターに山積みされた朝どれの大小様々な貝類。お好みの貝をラ・コンチャ(貝殻)スタイルで
これぞ美食の宝庫、屋台料理と侮ることなかれ
豚肉(カルニタス)のタコスの豚は、丸ごと一頭を巨大な鍋で2時間ほども煮込む。完全に火が通っても煮続け、水分が飛んで豚から出た脂でこんがり揚がると出来上がりという、伝統の料理法で作っている。豚の部位は好きな部位を選べるので、事前に名前を知らないとちょっと難関である。普通の身の部分はマシサ。これだけでも知っておけばOK。トルティーヤに肉だけを乗せて手渡されるので、あとは自分であれこれトッピングする。旨味と甘味が口の中に広がり、複雑な味わいは絶品B級グルメの域を出そうなほど。町で1店舗しかないカルニタス専門店「Ramirez」で豚のタコスを是非!
新鮮だからこそ生臭さの全くない味。冷たいシーフードカクテルは、暑い日中には美味しくて栄養のあるスナックだ
絶対はずせない、マリスコ屋台の超新鮮魚介のトスターダ
もうひとつ絶対的なお勧めは、マリスコ(シーフード)屋台。そこで使われているトスターダは、コーントルティーヤを油で揚げたものでカリッとしている。これに色々な魚介類を乗せてパリパリの皮と一緒に食べる。魚介を細かく刻んで薄く塗るスタイルや、魚介類を山盛りにしたものなど、レシピも屋台により様々。タコスと同じように自由にソースなどをトッピングできるので、好みの味で。また、トマトや魚介のジュース、魚介類、ライムをミックスしたシーフードカクテルも、どこのマリスコ屋台でも食べられる。クラッカーが付いてくるが、これがまた良く合ってとても美味しいのだ。トスターダは日本では手に入らないので、気に入ったらぜひスーパーで買うことをお勧めする。
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