世界遺産に登録されたグラアダラハラの建築物

北米大陸にあるメキシコは世界遺産の宝庫で、その数は32と南北アメリカ大陸で最多を誇っています。今回ご紹介するのは、メキシコの中央高原の北西部に位置するメキシコ第2の都市グアダラハラにある世界遺産、「オスピシオ・カバーニャス」です。これは1810年にカバーニャス伯爵によって建てられた、病院と孤児院を兼ねた建物です。グアダラハラ中心部にあるリベラシオン広場から、東に真っ直ぐ600mほど行くと、突き当たりに中央にドームを抱いた大きな建物が見えてきます。これがオスピシオ・カバーニャスです。

礼拝堂の内側いっぱいに描かれたオロスコの壁画は必見だ 礼拝堂の内側いっぱいに描かれたオロスコの壁画は必見だ

人々を救うために建ててられた建物

この建物は、病院、孤児院、感化院、救貧院、礼拝堂、広場などを含んだ総合施設です。設計は1796年に開始され、着工が1810年。建築はパリのアンヴァリッドなどの「新古典様式」で建てられました。欧州では、ちょうどフランス革命とナポレオン時代が進行している頃ですね。建物は165×145メートルという大きな長方形で、高さは7.5メートル。中央にあるドームの高さは32.5メートルもあります。完成したのは1829年のことでした。一時期は兵舎に使われたこともあるようですが、当初の目的は長らく維持され、近年の1980年まで孤児院として機能していたそうです。現在は市の文化センターとして公開されており、講演会や講座、展示会やイベント会場としても利用されています。

人々の怒りと希望への闘いを描いた壁画は必見

それでは、中に入ってみましょう。ドームを抱く最初の大きな建物が、最大の見どころの礼拝堂です。ここには壁面や天井に多くの壁画や天井画が描かれています。この壁画を描いたのはグアダラハラ出身のメキシコ絵画の巨匠、ホセ・クレメンテ・オロスコです。『スペインのメキシコ侵略』と総称された50以上ある壁画はダイナミックな作風で、ここが礼拝堂であることを忘れるほど。とくに礼拝堂の天井に描かれた『炎の人』(1936-1939)と呼ばれる作品は、彼の最高傑作と言われています。天井画をじっくり見るために、木のベッドのような台が置かれているので、寝ながら天井画を見てみましょう。私が訪れた時は、先生に連れられてきた小学生の一団がいて、絵の説明を聞いていました。メキシコの子供達には、ここは歴史の授業の場のようです。

現在はイベント会場などに利用

この礼拝堂を抜けると、広い中庭があります。ここでは時おり、イベントが開かれるそうです。建物の部屋では、展示会などが開かれていました。このオスピシオ・カバーニャスは、1997年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。開館時間は月曜を除く10:00から18:00まで。入館料は70メキシコ・ペソ(約500円)ですが、火曜日は無料で入れます。また、オロスコの作品が見たかったら、州庁舎の階段上に描かれた『立ち上がる僧侶イダルゴ』も必見です。こちらは無料で見学できるので、ぜひ行ってみてください。