メキシコでもっとも美しい町とは?

メキシコの首都メキシコシティーからバスで4〜5時間のところに世界遺産の町グァナファトがあります。メキシコでもっとも美しい町として知られ、赤や黄色、ブルーに塗られた家々が、なだらかな山の斜面にびっしりと建っています。その多くは、スペイン植民地時代のコロニアル形式で、家々の間には狭い小道や階段が迷路のように張り巡らされています。一見して町歩きが楽しそうです。もっとも有名な細い路地が「口づけの小道(Callejon del Beso)」。道幅はわずかに69センチです。かつて道を挟んで両側の家で暮らしていた男女が恋に落ちました。しかし家同士の仲が悪く、二人は人目を忍んで、互いのバルコニーから身を乗り出してキスをしたそうです。そこでこんな名前に。そして言い伝えに触発された観光客らしい若いカップルが、必ず誰かしらここで記念にキスしています。

死者との会話を楽しんでみる? 〜世界遺産のメキシコ・グァナファト 死者との会話を楽しんでみる? 〜世界遺産のメキシコ・グァナファト

グァナファトはそのむかし銀鉱山で栄えた

この町は、階段もあればトンネルもまた多いです。というのも、グァナファト川の洪水対策として、町が水浸しにならないように水の道としてトンネルを掘ったからです。20世紀の中ごろに山にダムができたとき、川の流れを変えたので、トンネルは必要なくなったのですが、今度はそこを道路に変えて、車が通れようにしました。いずれにしても、柔らかい岩の地面が、このように多層な町造りを可能にしたのです。この町は、その昔から銀鉱山の町だったため、採掘技術に優れていたのでしょう。町から車で15分ほどのところにあるヴァレンシアーナ坑道は見学することができます。メキシコは18世紀から19世紀まで世界の半分の銀を算出、今でも世界一の銀の産出国です。この町も、南部オアハカからメキシコシティーを通って北部サカテカスを結ぶ「銀の道」の途上にあるのです。

ちょっと変わった博物館に行ってみる

この町には、ちょっと変わった「ミイラ博物館」があります。銀鉱山で人口が増え繁栄した町が、困ったのが埋葬場所の確保でした。そこで、亡くなって3年間は無料で墓地に埋葬するが、それ以降は管理費の払えない家族の遺体はミイラ博物館に展示することにしたのです(全部ではないですが)。なにしろ土葬ですし、遺体が自然にミイラ化するほど乾いた土地柄です。この制度は1865年〜1958年まで続いたそうです。博物館の中には赤ちゃんのミイラなど100体が収められており、じっと見ていると、話しかけられそうです。また週末には、中世スペインの学生服を着て音楽を奏でる楽団「エストゥディアンティーナ(Estudiantina)」が、音楽を演奏しながら夜の街を練り歩きます。なかなか楽しいグァナファト。見所の多いメキシコでも必見の町です。