アナファトから足を延ばし、もうひとつの世界遺産都市へ

メキシコの中央高原地帯には、スペイン植民地時代に建設された多くのコロニアル都市があります。なかでも銀の採掘で栄えたグアナファトは有名ですが、そのグアナファトからバスで1時間半ほどのところにある、小さな町サンミゲル・デ・アジェンデも、近年、外国人に人気が高い町です。グアナファトは観光的に見るものが多く、ホテルやレストランの数もかなりあります。しかしこちらのサンミゲル・デ・アジェンデは、古い町並みこそ保存地区として世界遺産登録されていますが、特に大きな見どころがあるわけではありません。それなのに、なぜ外国人旅行者が多く訪れるのでしょうか。

外国人が学べる講座もある「アジェンデ美術学校」 外国人が学べる講座もある「アジェンデ美術学校」

芸術を学びながら滞在できる町

この町は「芸術家の町」とも言われています。町には「アジェンデ美術学校」などの美術学校があり、画家が住んでいたり、ギャラリーが多かったりします。また、アジェンデ美術学校には外国人向けのコースがあり、絵画や彫刻、陶芸、織物、写真などが学べるようになっています。こうした外国人向けの各種芸術講座は4週間からで、そのため何ヶ月も滞在する人が多いのです。芸術を習いながら、スペイン語の学習コースを取っている人もいます。観光地の滞在は最初の観光さえすんでしまえば、あとは居心地がいいか悪いかです。このサンミゲル・デ・アジェンデは、見どころが少ないせいか訪れる観光客はグアナファトほど多くはありません。しかしそのぐらいのにぎわいの方が、長期滞在には居心地がいいのでしょう。隣の国ということもあるのか、町にはアメリカ人のリタイア組が多いようでした。

まずは町の中心の広場、ソカロへ

長期滞在の場合、気になるのは「食事」ですよね。だからかもしれませんが、サンミゲル・デ・アジェンデは町の規模の割には、お洒落なレストランがたくさんあります。そんな町の中心部にあるレストランに入ると、お客の半分ぐらいはやはり欧米人旅行者でした。また、カフェの数も多く、のんびりと過ごせます。町の中心はソカロという広場で、その周りに教会や町の役場があります(他のスペイン植民地の町の造りと同じです)。ここのソカロに面した教会は「サンミゲル地区教会」で、19世紀にフランシスコ会の教会として、ゴシック様式で建てられたものです。その隣には、「サンミゲル・デ・アジェンデ歴史博物館」があります。この建物は町の名の由来ともなっているメキシコ独立の英雄のひとりイグナシオ・アジェンデの生家で、それを町の博物館にしたものです。(後編に続く)