- 小目奈々緒
- メキシコ在住。夫の仕事の関係で突然決まった、未知の国・メキシコでの生活。不安で不安でたまらなかった当初のことも、今ではすっかり笑い話。食べ物、民芸品、旅行、遺跡など、今ではすっかりメキシコの虜に!何よりも、目と目が合えばニッコリ笑いかけてくれるような、素朴な人々に魅力を感じている。
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独立記念日の夜には、大統領が「メキシコ万歳!独立万歳!」と、イダルゴ神父によるドローレスの叫びを再現するのもこの宮殿。ソカロには大勢の人々が集まる
メキシコ壁画運動を知っている人は、結構少ないのでは?かく言う私も住み始めてから知ったひとり。壁画運動とは何かを勉強してからでもいいけれど、「百聞は一見に如かず」の言葉どおり、まずは自分の目で見てみることをお勧めします。見て圧倒されて、初めて興味が湧くというもの。それからの方が、ガイドブックの説明も一文一句、深い意味をもって頭に入るはず。
そこで壁画運動初心者にまず訪れて欲しいのが、ソカロにある国立宮殿。ここには壁画運動の中心人物のひとり、ディエゴ・リベラによる「メキシコの歴史」が描かれています。
2階へと続く階段。もうここから大壁画の世界が始まる
メキシコ革命の後、1920年代から広がりを見せた運動。壁画を通して革命の意義や民族意識を伝えようとしたのだとか。ではなぜ壁画だったのか。それは、文字の読めない人々も、絵なら理解できるから。そしてこの運動の中心的存在となったのが、先に挙げたディエゴ・リベラ、そしてシケイロス、オロスコスの3人。ここ国立宮殿を訪れれば、メキシコの歴史に詳しくない外国人だって、アステカ繁栄時代・スペイン征服期といったメキシコの歴史の流れを、壁画を順に辿っていくだけで理解できるのが素晴らしい。
思わず立ち尽くして見入ってしまう、メインの壁画
入り口を入ると、すぐ左手に2階回廊へ続く階段があるのだが、誰しも階段を前にして暫し立ち止まる事は必至。なんてったって、もうそこから壁画の世界が始まっているだから。想像していた以上に巨大なので、初めて見たときにはあまりの凄さに圧倒されてしまった私。壁画運動の意味なんて知らなくても、目の前に描かれた絵が「素晴らしい大作」と言われるのが分かる気がして…。壁と言う巨大なキャンバスに、独立運動の英雄やら昔の人々やらが一堂に会している光景は圧巻。
カラフルに描かれた「メキシコの歴史」当時の様子が手に取るように分かり、興味深い
壁に描かれているわけだから、当然、上を見上げながらの絵画鑑賞。ちょっと離れて見れば楽だけれど、やっぱり間近で細部まで見たほうが絶対に興味深い。当時の人々の服装や生活習慣、スペインに征服されていた時期の様子……。
もちろんリベラ自身がその現状を自分の目で見て描いたわけではないけれど、それでも当時の様子が手に取るように分かり、とても面白いこと請け合いです。しかしあまりに熱中しすぎて上ばかり見ていると、首が疲れてくるので、たまには宮殿の中庭を見下ろしたり、のんびり見学するのがいいかもね!
■国立宮殿(Palacil Nacional)
場所は、メキシコシティ中心部ソカロ。
カテドラルを正面に見て、右手にあるのがそう。
最寄り駅はメトロ2号線Zocalo駅。
※治安の面を考慮すると、メトロ利用は避けて、
以前にご紹介したTURIBUS(ツゥリバス)で行かれる事をお勧めします
入場:毎日9:00〜20:00(行事のある日は入場できない場合もある)
入場料:無料(ただし、入場の際パスポート等の身分証明書が必要)
その他:5人以上で英語やスペイン語の無料ガイドを頼む事が出来る。
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/08/15)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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