メキシコ中央高原の都市、ケレタロを知っていますか?

メキシコというと危なそうなイメージを持っている人もいると思いますが、メキシコシティなどの大都市や、麻薬ギャングの抗争が起きているような都市以外は、たいていのどかなものです。人口がそこそこの中都市でも、町の中心部に限って言えば安全で、夜、食事をしに行くのにハラハラするということもありません(その点、中米や南米とはかなり状況が違います)。今回紹介するケレタロもそんな都市のひとつです。同じ中央高原にある首都メキシコシティからはバスで約3時間、メキシコ第2の都市グアダラハラからはバスで約5時間、人気観光都市のグアナファトからはバスで約2時間。どの都市に行くにもほぼ中間になるので、メキシコを旅する人はよく通過する町ですが、有名な観光名所がないので途中下車する旅行者は多くはありません。私も行くまではこの町に期待していませんでした。しかし行ってみれば、そこはかなり居心地がいい町でした。

旧市街の東側は曲がりくねった道も多い。これは歩行者専用の5 de Mayo通り 旧市街の東側は曲がりくねった道も多い。これは歩行者専用の5 de Mayo通り

知名度は低いが、世界遺産になるほどの古い建物が

ケレタロはケレタロ州の州都で、人口は80万人と大きいのですが、観光の中心となる旧市街は徒歩圏に収まっています。ケレタロ自体には鉱山はありませんが、その北部にサンルイス・ポトシ、西部にグアナファトという、メキシコを代表する銀鉱山があり、それらと首都メキシコシティを結ぶ交通の要衝として、18世紀にはメキシコ第3の都市にまで発展しました。そのため、旧市街にはその時代に建てられた古い建物が多く、ユネスコの世界遺産に登録されています。バスターミナルは、町の中心部から5kmほど離れているので、市バスかタクシーで旧市街に向かいましょう。ケレタロは町中に広場や公園が多い町です。町歩きの中心はセネア広場で、他のコロニアル都市のように、この広場に面して大きな教会があります。この公園の東側を南北に走る大きな通りが、コレヒドーラ大通りです。

町歩きの中心はセネア公園から

そのコレヒドーラ大通りの西側は碁盤の目状に街路が走り、街並みも整然しているのに対して、東側はそれが少し崩れて狭い路地が入り組んでいます。これは昔は西側にスペイン人植民者、東側に先住民と住む場所が分けられていたためだとか。まずは、セネア公園に面した大きなサンフランシスコ教会の脇にある、「ケレタロ地方歴史博物館」に入ってみましょう。建物は16世紀創建の修道院を利用しており、建物自体も雰囲気があります。中の展示は、先住民の遺跡からの出土品や、植民地時代の宗教美術、メキシコ独立戦争にまつわる展示など多岐にわたっています。(その2に続く)