世界遺産にも登録されたペルーの古都

ペルー第2の都市アレキパ。標高2335mの高地にあるインカ時代からの歴史がある古い町ですが、現在の姿はスペイン植民地時代に建設されたものが基礎になっています。旧市街には白い石造りのコロニアル建築が建ち並び、それらは「アレキパの歴史地区」としてユネスコの世界遺産にも登録されています。その中で最大の見どころが、今回紹介するサンタ・カタリナ修道院です。アレキパの町の1ブロック以上を占めているこの修道院は、1970年まで修道女たちが生活していた場所でした。現在は博物館として一般公開されています。

南米の世界遺産。ペルーのアレキパにあるサンタ・カタリナ修道院を見学しよう(前編) 南米の世界遺産。ペルーのアレキパにあるサンタ・カタリナ修道院を見学しよう(前編)

イタリアの聖女の名を冠した修道院

ここに修道院が建てられたのは、スペインがこの町を征服してから40年ほどたった1579年のこと。神に仕える目的で、またはさまざまな事情を抱えて、多くの女性が二度と家には帰らない決心をしてやってきました。この修道院の正式な名前は「シエナの聖カタリナ修道院」といい、14世紀にイタリアのシエナに生まれた聖女カタリナの名を冠しています。彼女が属していたのは清貧を重んじるドミニコ会で、このアレキパの修道院に暮らしていた女性たちも、つつましやかな暮らしを送っていたのでしょう。アレキパは100年に一度ほど大きな地震に見舞われますが、この修道院はその被害を受けつつも再建を繰り返し、やがてひとつの町のように広がって行きました。

修道院の中はこうなっている

さて、内部に入ってみましょう。基本的には、いくつものパティオ(中庭)を囲んで建物があり、そこに修道女たちの部屋や台所、礼拝堂などがある造りです。パティオごとにそれを囲む建物の壁の色が異なり、違った雰囲気を醸し出しています。建物の中はどうなっているかというと、ある部屋にはベッドや食器などが置かれ、修道女たちの生活を再現していました。私が印象深かったのは台所です。電気やガスなどない時代、薪を使って火をおこしていたので、かまどや天井、鍋などは黒い“すす”で覆われたままです。もう使われなくなった食器たちが、さびしそうに置かれていました。もちろん今は誰も住んでいないのですが、当時の生活を再現するためか、真新しい焚き木が側に置かれていたりします。(後編につづく)