インカ帝国最後の皇帝が愛した温泉

ペルーの北に位置するカハマルカは、インカ帝国最後の皇帝アタワルパがスペインのコンキスタドール(征服者)ピサロに処刑された地です。ここはインカ以前の時代から温泉地として有名で、皇帝アタワルパも度々町外れにある温泉に足を運んだといわれています。当時は一大温泉街が北の山裾まで広がっていました。この「バーニョス・デル・インカ(インカの温泉)」、現在は町の中心からバスで15分のところにある、温泉を利用したレジャー施設になっています。

インカの皇帝のお気に入りだった温泉で旅の疲れを取ろう インカの皇帝のお気に入りだった温泉で旅の疲れを取ろう

地元の人でめちゃ混みの温泉施設

広い敷地内には70度以上ある源泉の湯畑や、アタワルパが実際使っていたといわれる石造りの浴槽「グラン・ポーソ・デル・インカ(インカの大泉)」のある部屋があり、屋外温水プール、個室風呂、サウナ、マッサージなどの施設を利用できます。100以上ある個室は3ソル(約100円)と5ソル(約180円)の2種類あり、外国人はだいたい5ソルの個室に案内されます。個室は一回ごとにお湯が抜かれ、きれいに掃除してくれるので清潔。湯船は深さ1mくらいで、日本のお風呂のように肩までゆったりと浸かれます。お湯は無色透明で、成分が強いので30分以上浸からないようにと当番の人に言われますが、本当にいいお湯です。

インカ帝国の悲しい終焉

異母兄ワスカルを破り、クスコへの凱旋の途中にカハマルカに立ち寄ったアタワルパは、征服者ピサロによって捕らえられ、幽閉されてしまいます。スペイン人の残虐さを知らなかった人のいい皇帝は「スペイン人よ、私を解放するならばこの部屋のここまでを金で埋め尽くそう」と申し出ました。しかしこの条件を呑んだふりをしたピサロは大量の金銀が集まったところで皇帝を殺してしまいます。この部屋「エル・クアルト・デル・レスカテ(身代金の部屋)」は今もカハマルカ市内に残されています。そしてスペインの世界遺産セビージャの大聖堂内の、巨大な祭壇に使われた黄金はほとんどがペルーから持ち去られたものだそうです。

乳製品の美味しい町

酪農の町カハマルカは乳製品が美味しいことで有名です。町のいたるところでヨーグルトやチーズが売られていて、飲むヨーグルトは甘めですが絶品です。また南米中で大人気の「ドゥルセ・デ・レチェ」、または「マンハール」と呼ばれるキャラメル味のミルククリームも、牛乳の美味しいカハマルカで作られたものは既製品とは違ってとても美味しいです。ワラスでアンデストレッキングを楽しんだ後に、北上してカハマルカのインカの温泉に入って疲れを取り、腰に手を当てて牛乳を一気に飲み干すプラン、おすすめです!