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海外現地発ガイド通信

インカの農業実験場「モライ遺跡」


掲載日:2012/08/22 テーマ:遺跡 行き先: ペルー / クスコ

タグ: すごい! 遺跡 一度は行きたい


農業実験のために作られたアンデネス、「モライ考古学遺跡群」

幾何学的な美しさに感動する「モライ遺跡」 幾何学的な美しさに感動する「モライ遺跡」

アンデスを旅する時、その山肌に整然と広がるアンデネス(段々畑)の美しさに心を奪われる人は多いだろう。山の頂きから谷底までを覆いつくすように作られたそれに、インディヘナの大地に対する想いとこの国における農耕の歴史を強く感じる。熱帯気候に属するペルーでは、古来より高地でもさまざまな作物が作られてきた。標高2000〜3000mではトウモロコシや豆類が、3000mを超える場所では多種多様なジャガイモが栽培され、人々の命を繋いできたのである。そしてインカの時代。領土拡大とともに膨れ上がっていく人口を支えるため、農作物の収穫量をいっそう増やしていく必要があった。生産性を高めるための知識を、彼らはいったいどこから得ていたのだろうか。

すり鉢状の実験施設は大小合わせて4つ

これは遺跡群のなかで2番目に大きなムユ これは遺跡群のなかで2番目に大きなムユ

聖なる谷ウルバンバ川の南側、標高3500mの大地にすり鉢状の人工的な窪みが突如として現れる。これがインカの農業試験場と考えられている「CONJUNTO ARQUEOLOGICO MORAY/モライ考古学遺跡群」だ。「モライ」という名はケチュア語で「下にある円形」を意味する「MUYU YURAY/ムユ・ユライ」から来たという説や、インカのトウモロコシの収穫月であった「AYMORAY/アイモライ」に由来するというものなど諸説ある。モライ遺跡群には大小合わせて4つのムユ(サークル)があり、それぞれが緩やかなアンデネスで繋がっている。同心円状に作られたその幾何学的な美しさに、インカの人々の土木技術の高さと英知を感じずにはいられない。

さまざまな条件が重なって生み出されるミクロクリマ(微小気候)

畑を上り下りするための石の階段と水路が整然と造られている 畑を上り下りするための石の階段と水路が整然と造られている

モライ遺跡群で一番大きなムユだけが、円形と半円形のアンデネスが組み合わさったユニークな形をしている。このムユの法面には灌漑用の水路と畑を上り下りするための石の階段が造られている。観光時間に余裕があれば、その石段を利用して一番底のテラスまで下りてみてはいかがだろう。モライ遺跡の土壌温度は一番底の部分が最も低く、上に向かうほど高くなっていく。また方角によって日照時間が異なるため、同じ高さでも土壌温度は場所によって変化する。こうしたさまざまな条件が重なることで、多様なミクロクリマ(微小気候)が生み出されている。

驚嘆に値するインカの人々の知識

インカの人々が実験のために設置した石段を利用して、ムユの一番下まで降りてみよう! インカの人々が実験のために設置した石段を利用して、ムユの一番下まで降りてみよう!

一説では、この円形農場試験場内には20種類もの微小気候が存在するという。しかし温度計のないインカ時代に、いったいどうやってその差を見極めていたのだろう。同じ日に植えたトウモロコシの発芽や成長度合いを、事細かに比較したのだろうか。そのわずかな成長差と暦を重ね合わせ、そこから種まきに最も適した時期や農作物の種類を導き出していたのだろうか。母なる大地にこれほどの大穴をあけてまで、人々の暮らしと国の繁栄を支える「食」の問題に取り組んだインカの人々。我々の想像を遥かに超えたインカの知識と農耕技術の高さに、畏敬の念を抱かずにはいられない。

【関連情報】

穏やかな放牧地が広がるモライ周辺 穏やかな放牧地が広がるモライ周辺

■CONJUNTO ARQUEOLOGICO MORAY/モライ考古学遺跡群
クスコから北西へ38km、マラス村から7km。
入場料:10ソレス(約300円)
※事前に入場チケットを購入すること。
下記ウェブサイトから予約するか、旅行会社に依頼して下さい。
ウェブサイト:http://www.machupicchu.gob.pe/

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2012/08/22)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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