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海外現地発ガイド通信

インカ巨石建築の傑作 サクサイワマン考古学公園 その1


サクサイワマンとは「満足した鷹」という意味

遺跡の向かいにあるスチューナの丘からは、サクサイワマンを有名たらしめた三層の石壁がよく見える。石壁の全長は約360m、曲折は22回繰り返されている 遺跡の向かいにあるスチューナの丘からは、サクサイワマンを有名たらしめた三層の石壁がよく見える。石壁の全長は約360m、曲折は22回繰り返されている

インカ帝国の首都として栄えたクスコ。世界遺産の街として知られるこの都は、インカの世界観において「現世」を守護し「力」と「知恵」の象徴とされたピューマの形を模し設計されている。首を前に伸ばし、姿勢を低くしたピューマ。その前脚と後ろ脚、腹部に守られた重要な位置には、街の中心であるハウカイパタ(現在のアルマス広場)が置かれた。そしてピューマの頭部にあたる丘に築かれたのが、「SACSAYHUAMAN(サクサイワマン)」だ。巨石を組み合わせた三層のジグザグの壁があまりに勇壮なことや、マンコ・インカ軍がスペイン人からクスコを奪還するためここに立てこもったことなどから、要塞または砦として紹介されることが多いサクサイワマン。しかしその主な役割は太陽神殿であり、さまざまな施設を持つ複合建造物であったことが分かっている。

インカの石造建築の粋を集めた遺跡

壁にはヘビやカモ、リャマなどの動物を石で模った場所もあるので、目を凝らしてじっくり探してみよう 壁にはヘビやカモ、リャマなどの動物を石で模った場所もあるので、目を凝らしてじっくり探してみよう

インカ第9代皇帝パチャクテクの命を受け建造が始まったサクサイワマンは、孫である第11代皇帝ワイナ・カパックの代にその完成を迎えた。特に遺跡の北側に配されたジグザグの石壁は、この遺跡がインカ巨石建築の最高傑作と称えられるにふさわしいものだ。たとえ正方形のパーツでも、これだけの巨石をモルタルなどの接着剤を使用せずに組み上げるのは至難の業であったろう。あまつさえサクサイワマンの石組みはその大きさや形がまったく不揃いな上に、わざと複雑な形に削ったと思われるものも少なくない。それらが角と角を揃え、また複雑な曲線を境に寸分の狂いもなく連結しあっているのである。驚嘆を通り越し、人知を超えたインカの石造建築技術に畏怖の念を抱かずにはいられない。

スペイン人の手で破壊されたサクサイワマン

写真手前にある長方形の基壇がSAYACMARCA。その右奥に円形をしたMUYUCMARCAが見える 写真手前にある長方形の基壇がSAYACMARCA。その右奥に円形をしたMUYUCMARCAが見える

サクサイワマンの石壁にはTIU PUNCU(またはTIU PUNCO)、ACAHUANA PUNCU、HUIRACOCHA PUNCUと呼ばれる3つの入り口がある。PUNCU(プンク)とはケチュア語で「扉」という意味だ。そこから奥へ進んでいくと、遺跡の最上部にたどり着くことができる。頂上部分は平坦になっており、SAYACMARCA、MUYUCMARCA、PAUCARMARCAと呼ばれる3つの建物の基壇が残っている。太陽神殿だったというMUYUCMARCAの中心には、高さ20mもの円塔がそびえていた。またインカ皇族の血を引くメスティソ、インカ・ガルシラソ・デ・ベガは、「MUYUCMARCは真水を貯める貯水槽であった」と伝えている。そのほかサクサイワマン内部には、雨水を蓄える水槽や水路、武具を始めとする兵装を納めた倉庫などさまざまな施設があった。しかし、スペイン人の侵略によりその大部分は跡形もなく破壊されてしまった。

サクサイワマン考古学公園の広さはおよそ3000ヘクタール!

サクサイワマンからの眺望。聖獣ピューマに守られたインカの都を一望できる サクサイワマンからの眺望。聖獣ピューマに守られたインカの都を一望できる

サクサイワマン遺跡の西側にある展望スペースからは、クスコ市内を一望することができる。現在はその眺望の一部が樹木で遮られているが、500年前には前述のハウカイパタやコリカンチャ(太陽神殿/現:サント・ドミンゴ教会・修道院)はもとより、クスコ全域をあまねく見渡すことができただろう。文化省クスコ地方局(DDCC)によると、サクサイワマン遺跡を中心とする「PARQUE ARQUEOLOGICO DE SACSAYHUAMAN(サクサイワマン考古学公園)」の広さは2,997.265ヘクタール、公園内にはケンコーやタンボマチャイを始め96もの遺跡があるという。次回は同考古学公園の一角を形成する「CERRO SUCHUNA(スチューナの丘)」、もしくは「RODADERO(滑り台)」と呼ばれるエリアを紹介する。

【関連情報】

遺跡の西側には、ニッチ(壁龕)を配した美しい石壁が残っている。ここも神聖な建物であったに違いない 遺跡の西側には、ニッチ(壁龕)を配した美しい石壁が残っている。ここも神聖な建物であったに違いない

■PARQUE ARQUEOLOGICO DE SACSAYHUAMAN/サクサイワマン考古学公園
行き方:クスコ市内から北西へ約2km
入場時間:7:00〜18:00(無休)
入場料:下記クスコ周遊入場券のいずれかを購入のこと
BOLETO TURISTICO GENERAL CUSCO(BTGC)S/130(10日間有効)
BOLETO TURISTICO PARCIAL CUSCO(BTPC1)S/70(1日有効)

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2020/02/01)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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