複雑な形の「12角の石」

「ペルーの世界遺産・クスコ/かつての帝国の都に残るインカの面影」その1からの続きです。アルマス広場の南東の角から、カテドラルの右脇の道へ入っていきましょう。ここにもインカの石積みが残る道があります。現在は宗教美術博物館という植民地時代の邸宅の土台部分がそうですね。ここには第6代インカ皇帝の、インカ・ロカの宮殿がありました。ここの石積みで有名なのは、複雑な形をした「12角の石」や「14角の石」です。似たような石がいくつもあるので探しにくいですが、行くと大抵写真を撮っている観光客がいるので、わかるかと思います。

いろいろな形の石があるので見過ごしてしまいそうな「12角の石」 いろいろな形の石があるので見過ごしてしまいそうな「12角の石」

違う形の石が混じることにより、躍動感が

石積みの石はだいたい四角形に切り出されて積まれているのですが、ここにある石の大きさや形はみんなバラバラ。さらに各辺が直線でなく段々になっていて、多角になっています。ふつうは他の石と組み合わせるのが大変なので形を揃えるのですが、なぜかここではそんなことはしていません。もしかしたら見映えを考えて、わざと複雑な形にしたのもかもしれません。手間がかかりますが見た目の単調さはなくなり、躍動感があふれるからです。

インカ博物館とカサ・コンチャ博物館

この近辺には、インカ関連の小さな博物館がいくつかあります。カテドラル近くの「インカ博物館」は、17世紀に建てられた邸宅を利用したもの。「インカ」と名前が付いていますが、展示はプレ・インカ、インカ、植民地時代など、多岐にわたっています。前述の宗教美術館に近いインカ皇帝の息子のトゥパック・インカ・ユパンキの宮殿があった場所には、「カサ・コンチャ博物館」があります。ここには、マチュピチュ遺跡を発見したハイラム・ビンガムがアメリカに持ち帰った出土品のうち、のちにペルーに返還されたものの一部を展示しています。

見応えがあるプレコロンビーノ博物館

充実しているのは、カテドラル裏にあるナサレス広場に面した「プレコロンビーノ博物館」でしょう。展示数は多くはありませんが、状態が良いものが多く、展示方法と相まって、なかなか見応えがある博物館でした。2階がインカ帝国以前の「プレ・インカ」時代のアンデス諸文化を紹介するコーナーで、装飾された土器が中心です。1階がプレ・インカ時代の残りと、インカ帝国時代の装飾品や宝飾品の展示になっています。(その3に続く)