衰退していく南米の鉄道

かつては南米にも鉄道が敷かれ、鉄道による輸送が行われていました。しかし、道路が整備され、長距離バス網が非常に発達してからは、鉄道は衰退の一途をたどっています。5年ほど前にアンデスを旅行した時も、ガイドブックに鉄道ありと書かれている町にいざ行ってみると、列車が動いているのかいないのか駅に行って聞いてみても定かでなく、結局はバスで移動したことがありました。鉄道が衰退する一方で、長距離バスのサービスは格段に向上しています。2階建ての立派な車体のバスで、席がほぼフラットになる豪華なクラスを設けたり、車内食やフリーwifiまで付いています。

豪華列車で行く鉄道の旅 その1・高山列車で雄大なアンデスの高原を行く 豪華列車で行く鉄道の旅 その1・高山列車で雄大なアンデスの高原を行く

残ったのは豪華な観光列車

ほとんどが廃線状態の鉄道ですが、その中で残ったのは観光客をターゲットにする豪華列車でした。アンデスで有名なのはクスコからマチュピチュを目指す高原列車です。人気の世界遺産「マチュピチュ」に行くにはこの列車が唯一の交通手段で、この路線は地元の人用の列車もありますが、そちらはペルー国民以外は乗ることができません。そして、アンデスを走るもうひとつの豪華列車が、インカの古都クスコとチチカカ湖畔の町プーノを結ぶ、「アンディアン・エクスプローラー号」です。

クスコ〜プーノ間を走る高山列車

アンデスを縦断するアンディアン・エクスプローラー号は、中国の青蔵鉄道が開通するまでは世界一標高の高いところを走る列車でした。車体はあのオリエント急行と同じもので、ウッディーな落ち着いた雰囲気の車内の設備と豪華さは、ヨーロッパの長距離列車のファーストクラスにも引けを取りません。フルコースのランチと軽食つきのティータイムもすべて料金に含まれています。フォルクローレの楽団による生演奏やファッションショー、土産物の販売もあり、車内での滞在を飽きさせないように工夫されています。最後尾の展望車両は窓のない吹きさらしになっていて、きれいな写真を撮りたい人におすすめです。

アンデスの雄大な風景を楽しむ

車両の豪華さや一流のサービスだけではない、この列車最大の魅力は、車窓に広がるアンデスの風景です。標高3000mを越えるアンデスの高原は、真っ青な空に浮かぶ雲が低く感じられるほど雄大で、雪を抱いた美しい山々が連なります。荒涼とした草原には放牧されているリャマやアルパカの姿が見え、通り過ぎる町ではアンデスに暮らすインディヘナの人たちの生活も垣間見えます。また、このルートの最高地点、標高4313mの峠「ラ・ラヤ」では、一時停車して車外に出ることができます。ゆったりとくつろぎながらの約10時間の豪華列車の旅で、アンデスの魅力を存分に堪能してください。