インカ帝国の皇帝が降臨した湖

アマゾンからアンデスまで、多様でダイナミックな大自然の表情を見せてくれるペルー。その代表的な見どころのひとつがチチカカ湖です。標高3800mに位置するチチカカ湖は、琵琶湖の12倍の面積を持つ、ペルーとボリビアにまたがる美しい古代湖です。太陽神がインカ帝国の初代皇帝マンコ・カパックを誕生させた湖とされ、湖畔の町プーノは、インカの時代には「天神降臨の地」としてにぎわいました。プーノは現在では、チチカカ湖観光の拠点となっています。

トトラの浮島、ウロス島

チチカカ湖のプーノの沖に、この湖に生えるトトラという葦を積み重ねた40ほどの人工の浮島群、ウロス島があります。このウロス島には先住民ウロ族が住み、家も舟もみなトトラで作られています。住居はそれぞれワンルームで、台所は火事を避けるために屋外にあります。島のベースのトトラが腐ってきたら、その上に新しいトトラを補充していき、島としての寿命は15から20年くらいだとか。学校や教会、集会所などの住民のための施設のほかに、トトラでできた宿泊施設やレストランなど、観光客向けの施設も揃っています。

プーノ発のツアーが便利

ウロス島を訪れるには、プーノ発のツアーを利用するのが一般的です。プーノの桟橋からボートに乗って30分くらいでウロス島に到着します。上陸して歩いてみると、足場がふわふわ柔らかく、なんだか不思議な感覚です。トトラの地面(?)の上に横になっていると、背中が湿ってくるのを感じます。ツアーでは展望台からの眺めを楽しんだり、バルサという葦舟に乗せてもらったりすることもできます。残念ながら、現在では伝統的な浮島での暮らしをやめて、プーノの町で生活するウロ族の人も多いのだとか。世界でも珍しいチチカカ湖の浮島も、やがては消えてしまうのでしょうか。

足を延ばしてタキーレ島へ

チチカカ湖には、他にも魅力的な島がいくつかあります。ウロス島と組み合わせたツアーで行ける「タキーレ島」もそのひとつ。この島には現在も伝統的な生活を続けるケチュア族が住み、美しい織物の島として有名です。ユニークなのは、男性が編み物をすること。島を歩いていると編み物をしているおじさんや青年を見かけます。平地の少ない島でとても眺めがよく、時間が許せば1泊したいところです。ここではチチカカ湖名物のマス(トゥルーチャTrucha)料理を食べるのをお忘れなく!