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海外現地発ガイド通信

千年の時を超えてなお輝き続ける黄金の文化。国立シカン博物館


掲載日:2011/11/03 テーマ:美術館・博物館 行き先: ペルー / リマ

タグ: すごい! 博物館 歴史


シカンの謎を解明したのは日本人だった

ペルーの国宝とも称えられる「シカンの黄金大仮面」 ペルーの国宝とも称えられる「シカンの黄金大仮面」

ランバイェケ州の州都チクラヨから北へ約31.5kmの地点に広がるポマ森林歴史保護地区。そこにあるのが「シカン遺跡」だ。1991年、この遺跡の「東の墓」から、巨大な黄金の仮面が発見された。「アーモンドアイ」と呼ばれるつり上がった鋭い目、朱に塗られた顔。金の含有量の多いトゥンバガ(金銀銅の合金)で作られたこの「シカンの黄金大仮面」は、頭飾りと合わせると長さ約100cmにもおよぶ。世界を驚かせたこれらの発掘品は、「MUSEO NACIONAL SICAN/国立シカン博物館」に展示されている。シカン文化の学術調査を指揮するのは、米国南イリノイ大学で教鞭を揮う日本人考古学者、島田泉教授だ。

西を向いて置かれた首の意味とは?ロロ神殿「東の墓」

「東の墓」の最下層部の様子。上層からは黄金の装飾品や貴重なウミギクガイなどが大量に出土している 「東の墓」の最下層部の様子。上層からは黄金の装飾品や貴重なウミギクガイなどが大量に出土している

国立シカン博物館でまず目をひくのが、ロロ神殿の「東の墓」を再現したものだろう。「東の主」と呼ばれる男性が胎児のような姿勢を取り、天地逆さに埋葬されている。この男性は全身を赤く塗られていたと言い、そのそばには出産シーンを再現するかような2人の女性が埋葬されている。まさに「赤子の誕生」といった様子だ。当時の人々は東の主の再生を強く願い、このような形で埋葬したのかもしれない。特筆すべきは、その主の首が切り落とされていたこと。黄金仮面を着けたその首は、頭を上にした正常な状態で西向きに据えられていた。またその下から発掘された黄金の手袋も西に向かって伸びていたことから、島田教授はこの墓の西側に重要な墓があることを確信したと言う。

未だ多くの謎が残る「西の墓」

高貴な人物であったと考えられる「西の主」だが、その埋葬品が極端に少なかったことが更にこの墓の謎を深めている 高貴な人物であったと考えられる「西の主」だが、その埋葬品が極端に少なかったことが更にこの墓の謎を深めている

調査の結果、「西の墓の主」は東の主の甥であることが判明している。西の墓からは女性やリャマなどの生贄が多く出土したが埋葬品は少なく、1.2トンもの副葬品が発掘された東の墓とは対照的だ。また島田教授は当初、「西の主は東を向いて埋葬されているのでは」と考えた。しかしその予想に反し、西の主もまた西向きに埋葬されていたのである。シカン文化における「西」が意味するものは、まだ解明されていない。墓は10m×6mの墓地の中央に3m×3mの墓室が掘り下げられ、そこに主が埋葬される二重構造になっていた。壁には木綿の彩色布が張られ、また墓を覆うように使われたと思しき木綿布が見つかるなど、あらゆる意味で過去に例のない埋葬方法となっている。

シカン文化の解明はこれからも続く

発掘エリアの土器工房跡から発見された窯。内部から金属成分も見つかり、土器製作と冶金の両方が行われていた窯であったことが分かった 発掘エリアの土器工房跡から発見された窯。内部から金属成分も見つかり、土器製作と冶金の両方が行われていた窯であったことが分かった

シカンは紀元750年ごろから約600年続いた黄金国家。高度な冶金技術を有し、アンデス文明の中で最も多くの黄金の装飾品を生産したとされる。その技術はシカンを滅ぼしたチムー王国、そしてインカ帝国にまで受け継がれていくが、島田教授によってシカン文化の発掘調査が進むまでは、黄金の仮面やアーモンドアイの発掘品がチムーやインカのものと誤解されていた。島田教授がシカンの本格的な基礎調査に着手したのが1978年。それから30年を経た今もなお、シカン文化の学術調査は続けられている。中期シカン(900〜1100年)を中心に展示されている国立シカン博物館だが、今後の発掘調査次第でその内容が変化する可能性もあり、まだまだ目が離せない。

【関連情報】

ペルー北部に栄えたシカン前後の文化や地域環境などにも触れ、大変分かりやすく展示されている国立シカン博物館 ペルー北部に栄えたシカン前後の文化や地域環境などにも触れ、大変分かりやすく展示されている国立シカン博物館

■MUSEO NACIONAL SICAN/国立シカン博物館
住所:Av. Batan Grande Cdra. 9, s/n. Carretera a Pitipo, Ferrenafe Peru
開館時間:9:00〜17:00(休館日:月曜日)
電話:+51-74-286-469
行き方:チクラヨからフェレニャフェまでタクシーかコレクティーボ(乗り合いバス)で約20分。
フェレニャフェ中心部からモトタクシーで1.5ソーレス(約50円)。

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2011/11/03)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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