一度は行ってみたい世界遺産のマチュ ピチュ

一度は行ってみたい世界遺産の中で、常に上位に顔を出すのがペルーのマチュ ピチュでしょう。15世紀のインカ帝国の遺跡で、当時の首都は100キロ以上離れたクスコにありました。マチュ ピチュは石の建物が200戸しかなく、インカ帝国が太陽神を崇拝していたことから、太陽の観察所ではないかというのが見立てのひとつです。周囲は切り立った山々に囲まれ、3000段にも及ぶ段々畑には、種々のジャガイモが植えられていたに違いありません。インカ帝国は、ジャガイモ帝国といっても過言がないほど、様々な種類のジャガイモを栽培し、それが現在まで続いています。クスコの市場を訪れると、近郊の農家から運ばれてきた色とりどりのジャガイモが見られます。標高差を利用して、多くの種類のジャガイモを育てることで、安定的な食料供給を可能にしたのです。

ペルーのジャガイモは色とりどり。インカ帝国を支えた食べ物の知恵とは? ペルーのジャガイモは色とりどり。インカ帝国を支えた食べ物の知恵とは?

ジャガイモの研究がインカ帝国を作った

19世紀にヨーロッパでは、ジャガイモの疫病が大流行しました。それというも同じ種類のジャガイモを栽培していたからで、大陸から始まった疫病の蔓延は、やがてアイルランドにまで及びます。食料をジャガイモに依存していたアイルランドでは、ジャガイモ飢饉によって、80〜100万人もの人々が餓死し、200万人にも及ぶ人々が海外に移住しています。その行先の多くがアメリカでした。アイルランドでは、現在でも当時の人口に戻っていません。ところがこの大惨事より何百年も前のインカ帝国では、違う種類のジャガイモを同じ畑で栽培するなど、疫病予防がなされていたのです。こうしておけば、一種類が疫病にかかっても、その病気に強い品種は生育するのです。驚くべき栽培管理ですね。それほどジャガイモ研究が進んでいたのでしょう。

ペルーに行ったらジャガイモ料理を食べるのだ

そんなペルーの代表的なジャガイモ料理が、「パパ・ア・ラ・ワンカイナ」です。ゆでたジャガイモの上に、アヒ・アマリージョ(黄色い唐辛子)とチーズなどを混ぜて作った黄色いソースをかけて食べます。「カウカウ」はジャガイモと牛の内臓ハチノスの炒め煮です。さっぱりしていてご飯に合います。「カウサ」は、ジャガイモとレモン、アヒ・アマリージョをマッシュして成形したサラダです。また寒い高地では、インカ時代から、薄く切ったジャガイモを冷凍乾燥させて、チューニョという乾燥ジャガイモを作っています。こうすることで、毒素を持つジャガイモでも、解毒でき、保存食にもなったのです。チューニョと言えば、スープで食べるのが定番ですが、普通のジャガイモとは違う食感を楽しめますので、ジャガイモ料理にチューニョが加わっていることも。ペルーに行ったら、ジャガイモ料理もお忘れなく。