想像より小さく見えた地上絵

「小さい!」これが地上絵を見た最初の感想でした。このクジラの絵の大きさは63mあるそうですが、上空から見ると5cmほどにしか見えません。通り過ぎたセスナは、今度は反対側の人に見せようと旋回します。たしかに目が回ります。2番目の幾何学的な方形がいくつもあるところを通り、3番目の「宇宙飛行士」あるいは「フクロウ人間」と呼ばれている絵に着きました。これはさらに小さく、山の斜面に32mの大きさで描かれていました。下を見ながらシャッターを切るのは、やはり酔います。心身ともに余裕があったのは、このあたりぐらいまででした。急速に胃がムカムカしてきます。

南米の世界遺産「ナスカの地上絵」をセスナで遊覧飛行。しかし… その3 南米の世界遺産「ナスカの地上絵」をセスナで遊覧飛行。しかし… その3

地上絵以外にも、無数の幾何学模様が

4番目の「サル」、5番目の「犬」、6番目の「コンドル」、7番目の「クモ」は割と近くに固まっていますが、けっこう線が細い(薄い)ものもあり、言われてもすぐに気がつかないものもありました。地上には絵だけでなく、無数の線や方形が描かれています。それらは古代人が描いたものか、後世の人が作ったものかはよくわかりませんが、なかには地上絵に被っているものもあります。一方、気分は段々悪くなり、一番有名な8番目の「ハチドリ」のころは、写真を撮るのがせいいっぱいでした。

どんどん飛行機酔いで気分が悪くなる

このころは、「あと4つで帰れるぞ」的なガマン大会の気分でした。やがてパン・アメリカンハイウェイの上に出ました。走って行くトラックや、地上絵を見るために作られたミラドール(観測台)が見えます。気持ち悪くて、下を見ること自体とても辛いのですが、機長が日本語で「ハイ! ヒダリ、クモ」と知らせるので、見ない訳にはいきません。9番目「フラミンゴ」、10番目「オウム」または「トンボ」。このあたりはもう記憶があいまいです。カメラもモニターを見ると酔うので、「だいたいこのあたりだろう」と思われるところに向けてシャッターを切っているだけです。

なかなか行く機会がない場所だけに、無理は禁物

11番目「手」と12番目「木」…。「ああ、これで終わりだ。何とか持ちこたえた」というのが素直な気持ちでした。リトアニア人の家族連れが、まったく平気なのが不思議でした。10分ほどでナスカ空港に着陸。ちょうど40分ぐらいのフライトでした。天候が悪かった訳ではないのですが、私には後半はかなり辛いフライトでした。20分ほど待合室で待ち、迎えのタクシーで町へ戻りました。やはり体調が万全でないときは、遊覧飛行は止めておけば良かったのでしょうか。こうして、私にとって「ナスカの遊覧飛行」は苦い体験となりました。みなさんは行く機会があったら、あまり無理せず、ナスカに前泊して体調を整えてからぐらいの、万全の体調で臨んでください。もしくは事前に酔い止めを飲みましょう。なかなか行く機会がないところですから。