地上絵には何が描かれているか

さて、難しいとされていた描く方法が、実は簡単だったことがわかりました。しかし最大の疑問がまだ残っています。「何のために描いたのか?」です。良く知られている地上絵は動物を描いたものが多いです。観光ツアーで乗るナスカの遊覧飛行では、12カ所を上空から見るのが一般的ですが、その絵は「クジラ」「ハチドリ」「サル」「クモ」「サギ」「フラミンゴ」「コンドル」木」など。「手」や「宇宙飛行士」と呼ばれているものもあります。それらの絵にどんな意味があるのか、現代人にはもはやわからなくっています。そして上空から見て驚くのが、絵だけでなく無数の線が引かれていることでしょう。あとは「滑走路」にしか見えないような、長方形の幾何学模様もあります。

ペルーの「ナスカの地上絵」の秘密を探る その3 地上絵が描かれた理由 ペルーの「ナスカの地上絵」の秘密を探る その3 地上絵が描かれた理由

地上絵を描いた目的は?

絵が描かれた目的については、宇宙人説は置いておいて(笑)、マリア・ライヒェ博士の「天体図や暦」説が有名ですが、夏至や冬至に一致する線がいくつかあるというだけで、一致しないようなほとんどの線の説明ができません。今では「そういう目的のものも多少ある」というほどの説のようです。面白いのに「雨乞い」説があります。これは地上絵が一筆書きなことから、雨乞いの儀式の一行が音楽を奏でながら一列になってその上を歩いていたというもの。実際にペルーでは、そうした行事があるそうで、その姿を思い浮かべると面白いですね。でも私が一番「そうかな」と考えているのが、「社会事業」説です。

現代の日本政府も行っていることが理由?

これは古代では、世界各地で行われていたので納得がいきます。古代では農閑期になると人々は仕事がなくなり、一部の人々は食料がなくなり、飢えてしまうことがありました。そこで国家が豊作時や、そうでなくても収穫期に一定の穀物を集めて備蓄し、農閑期に公共事業を行うことによってその富を再分配するという仕組みです。日本でも雇用対策の一環として、急を要しない土木事業をするという歴史が古来よりあります(今もその伝統は続いています)。エジプトのピラミッドも、農閑期を利用した救済土木作業の一環で作られたという説もあります。もしかしたらナスカの地上絵も、そうした公共事業の一環で描かれていたのかもしれません。そう考えると、古代人のイメージもだいぶ変わってきますよね。夢がないかもしれませんが、古代人も現代人の私たちとそう変わらなかったのではないでしょうか。