- 原田慶子
- ペルー・リマ在住フリーランスライター。ペルーの観光情報を中心に文化や歴史、グルメ、エコ、ペルーの習慣や日常などを様々な視点から紹介。『地球の歩き方』『今こんな旅がしてみたい』『トリコガイド』『世界のじゃがいも料理』などペルー編の取材協力多数。「Keikoharada.com」にてペルー情報発信中。
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トルヒーヨのアルマス広場にあるカテドラル。鮮やかなクリーム色の壁が印象的
ラ・リベルタ州の州都「TRUJILLO/トルヒーヨ」は、世界遺産チャンチャン遺跡や太陽のワカ・月のワカなどプレインカの遺跡を数多く有するペルー北部最大の都市。しかしトルヒーヨの魅力は遺跡見学の拠点というだけではない。副王統治時代に造られた整然とした街並みの美しさや、ペルーの国民的舞踊マリネラの聖地としても有名だ。また中南米一の美食の国と称されるペルーの中でもトルヒーヨを含むノルテ(北部)の料理は特に美味とされ、ペルー内外のグルメたちを魅了している。今回は一年中穏やかな気候が続き「常春の街」として人々に愛される魅力溢れる街、トルヒーヨをご紹介しよう。
街を代表するCasa Ganoza Chopitea(ガノサ・チョピテア邸/住所:Jr. Independencia 630 )
トルヒーヨは首都リマ建設より前の1534年12月6日に築かれた古い街。スペイン人征服者アルマグロが仲間のフランシスコ・ピサロの生まれ故郷の名を取って「バジェ・デ・トルヒーヨ」と名付けたのが始まりだ。翌1535年3月5日、フランシスコ・ピサロによって「シウダー・デ・トルヒーヨ・デ・ヌエバ・カスティージャ」と改名され、積極的な都市建設が始まった。1619年の地震によって街は壊滅的な被害を受けたが、その後17〜19世紀にかけて眩いばかりの金銀装飾があしらわれた豪華な教会やガノサ・チョピテア邸など、美しいコロニアル建築の建物が次々に建設された。現在、その多くがペルー国家文化遺産に登録されている。
全国各地で大会が行われるほど人気のあるマリネラ(写真はリマ大会の様子)
美しい街には美しい踊りがよく似合う。トルヒーヨはペルーの国民的舞踊として人々に愛されているマリネラが盛んな土地だ。一組の男女が恋の駆け引きを情熱的に表現するこの踊りは、リメーニャ(リマ風)やプネーニャ(プーノ風)などいくつかあるが、トルヒーヨを中心とするマリネラ・ノルテーニャが最も優雅で洗練され人気も高い。幼児から熟年まで幅広い層で踊られ、年齢別の大会が全国各地で行われる。中でも毎年1月に行われるClub Libertad de Trujillo主催のマリネラ・コンクールはその最高峰とされ、テレビで全国に生中継されるほど。華やかなリズムに合わせて踊る官能的な恋の踊りに、思わず見とれてしまうだろう。
トルヒーヨ名物セコ・デ・カブリート(またはカブリート・コン・フリホーレス)をご賞味あれ!
「コミーダ・ノルテーニャ(ペルー北部の料理)」は、ペルー人の間では「美食」を表すフレーズにもなっている。新鮮な魚介類をレモンでマリネしたセビーチェや海の幸をふんだんに使った料理はもちろん、チチャ・デ・ホラというトウモロコシの発酵酒を使ったセコ・デ・カブリート(ヤギの煮込み料理)も有名だ。ノルテのヤギ肉料理は肉独特の臭みがなく、舌の上でとろけるほどよく煮込まれており絶品。通常ライスとフリホーレス(豆の煮込み)がセットになっていてボリュームも満点だ。アロス・コン・パトなどの鴨料理や地ビールのピルセン・トルヒーヨも忘れずに。冷えたビールで乾いた喉を潤す瞬間は、旅の合間の最高の贅沢ではないだろうか。
副王統治時代の17世紀後半、トルヒーヨは海賊の攻撃に備え城壁で街の周囲を囲んでいた
■TRUJILLO/トルヒーヨ
ペルー北部、ラ・リベルタ州の州都。
交通:首都リマから飛行機で1時間10分、または長距離バスで9時間。
トルヒーヨ市役所の公式ウェブサイト:http://www.munitrujillo.gob.pe/
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