知られざるギアナ3国って?

南米の北東部にある、似たような大きさの3つの国。これらはまとめて「ギアナ3国」と呼ばれますが、日本に限らず世界的にもあまり知られていない国々でしょう。これといった世界的な観光名所もなく、物価も高いことからバックパッカーも敬遠しがち。そもそも、「国の区別がつかない」程度の関心の低さでしょう。今回紹介するのは、そのギアナ3国の真ん中にある国、スリナムです。西はガイアナ(元イギリス領)、東は仏領ギアナに挟まれたこの国は、公用語がオランダ語という南米では珍しい国。では、この国がどんな国なのか、これから少しずつ紹介して行きましょう。

民族構成が国際的? 南米にありながら、アジアが感じられる国スリナムとは? (その1) 民族構成が国際的? 南米にありながら、アジアが感じられる国スリナムとは? (その1)

スリナムの歴史をたどってみよう

植民地時代のアメリカ大陸に、後からやって来たイギリスやフランス、オランダといった国々。彼らは、スペインやポルトガルがすでに植民地化していないエリアに入植するしかありませんでした。つまり、資源などの魅力がなかった土地です。この南米大陸の北東部がそんな場所で、17世紀にオランダが入植をはじめ、アフリカから黒人奴隷を連れて来て、ここでサトウキビやコーヒー、カカオなどのプランテーション農業を始めます。19世紀に奴隷制度が廃止されると、解放された多くの黒人奴隷は農園に留まらずに、都市部へと出て来てしまいます。これは深刻な労働力不足の問題を引き起こしました。

多様な民族が集まったのはなぜ?

そこでオランダは、当時植民地としていたオランダ領東インド(現インドネシア)や、英領インドから大量の契約移民を呼びます。その後、移民はさらに中東や中国からもやって来たため、スリナムの民族構成は南米でもかなり複雑なものになったのです。スリナムは1975年に独立しますが、その複雑な民族構成が政権をなかなか安定させませんでした。現在の民族構成は、インド系27%、黒人と白人の混血17%、マルーン系(アフリカ系黒人)15%、インドネシア(ジャワ)系15%、インディヘナ、華人などです。スリナムの公用語はオランダ語ですが、それぞれのエスニックグループごとにヒンディー語やジャワ語なども使われています。日本の半分ほどの国土に住んでいるのはたったの53万人ですが、それがこうしたエスニックグループに分かれているのです。(その2に続く)