手つかずの熱帯雨林が内陸に

スリナムのその1からの続きです。独立後はクーデターが度重なり、オランダも一時援助を止めたことがありましたが、90年代半ばに民政に移管。ここ20年は政治も安定し、スリナムは観光業にも力を入れ始めています。人口はその9割が北部の沿岸地域、とりわけ首都パラマリボには国の人口の約半分に当たる24万人が住んでいます。その一方で中部の熱帯雨林地域や、南部の熱帯サバナ地域の人口はとても少なく、このエリアには今でも手つかずの自然が残っています。

民族構成が国際的? 南米にありながら、アジアが感じられる国スリナムとは? (その2) 民族構成が国際的? 南米にありながら、アジアが感じられる国スリナムとは? (その2)

世界遺産「中央スリナム自然保護区」

ここでスリナムの世界遺産を紹介しましょう。世界遺産は2つあります。ひとつは2000年に登録された自然遺産「中央スリナム自然保護区」です。保護区の面積はスリナムの国土の1割に渡ります。数多くの熱帯の野鳥や、アリクイ、アルマジロ、バク、ジャガー、ピューマなどが棲息しています。ただし先ほども述べたように、交通アクセスが良くない内陸部にあり、なかなか観光で訪れにくいのが現状です。今でもときどき、「スリナムで新種の生物が見つかった!」とニュースになるように、豊かな自然が残されているのでもったいないですね。

世界遺産「パラマリボの市街歴史地区」

もうひとつの世界遺産が2002年に登録された文化遺産「パラマリボの市街歴史地区」です。パラマリボは人口約23万人のスリナムの首都。スペインやポルトガルが造った南米のコロニアルタウンは、広場を中心とした碁盤の目状のものが多いですが、このパラマリボはオランダ式なので、とくに街区が格子状になっていません。またスペインやポルトガルの植民市では石造建築が多いのですが、ここは木造建築が多いのがユニークです。

見ておきたい世界遺産の建物

17世紀に建設が始まったパラマリボ市ですが、19世紀前半に二度の大火に襲われたため、現在の建築はその後の再建です。ただし、パラマリボ最古の建築と言われるゼーランディア要塞は古いものが残っています。そのほかに1730年創建の大統領官邸、1840年頃創建の財務省の建物、1885年に完成したカテドラル、ウァーテルカント(水辺地区)の木造建築などが、世界遺産に登録された見どころになっています。カテドラルはゴシック様式で建てられていますが、それが木造というのは、世界的にも少ないのではないでしょうか。(その3に続く)