レイクパウエルほとりの町、ペイジを基点に

アメリカ南西部に、5州にまたがって広がる「グランドサークル」と呼ばれる人気景勝地が多いエリアがあります。その中で、グランドキャニオン、モニュメントバレーに次ぐ、人気の場所が「アンテロープキャニオン」です。観光の基点となるのは、ラスベガスから車で5時間ほどのペイジの町です。このあたりはグランドサークルの中心のレイクパウエルの西端近く。レイクパウエル、そしてコロラド川が馬蹄形に急カーブを描く絶景の「ホースシューベンド」、巨大な岩のアーチが残る「レインボーブリッジ」などと合わせて観光ができます。それでは、まずはアンテロープキャニオンに行ってみましょう。

グランドサークル絶景の旅/アンテロープキャニオンとホースシューベンド(前編) グランドサークル絶景の旅/アンテロープキャニオンとホースシューベンド(前編)

繊細な自然の造形を感じる峡谷

アンテロープキャニオンは、鉄砲水や雨、風が長い年月をかけ、やわらかい砂岩の層を侵食して生み出した、深さ30メートル以上、幅がわずか2、3メートルという細い峡谷です。流れる水流は砂を巻き上げ、峡谷の断面をらせん状に磨き上げました。その結果、峡谷は曲りくねった複雑な形になり、太陽の光もまっすぐ下まで差し込めない場所が多くなりました。地層や水流の跡の筋が残った岩肌を、太陽の光が間接照明のようにオレンジ色に染め上げたり、また時間帯によっては光が直線的にビームのように下まで差し込んだりと、幻想的な風景を作り上げます。グランドキャニオンが自然のダイナミックさを見せてくれる場所なら、ここは自然による繊細な芸術を感じさせてくれる場所でしょう。

アッパーとロウアーに分かれているアンテロープキャニオン

アンテロープキャニオンは、アッパー・アンテロープキャニオンとロウアー・アンテロープキャニオンの2カ所あり、ともにペイジの町から車で10分ほどのナバホ族居留地にあります。峡谷内はナバホ族のガイドによるグループツアーで回ることになります。ロウアーは一方通行、アッパーは150メートルほどの峡谷内を往復するというコースで、観光客の数によってはかなり混み合うことも。アッパーの中は割と平坦ですが、訪れる人が若干少ないロウアーのほうはアップダウンがあり、急な階段の上り降りもあるほか、距離も長く、最後に階段を上って外に出ます。とにかく、どこも写真に撮りたいくらいのすばらしい景色ですが、人が写りこまないように撮るのは難しいかもしれませんね。(後編に続く)