記念碑のような岩の塔があちこちに立つ、モニュメントバレー

グランドキャニオンと並ぶ、グランドサークル人気の景勝地が「モニュメントバレー」です。場所はユタ州とアリゾナ州の州境近くのナバホ族居留地にあり、ラスベガスからだと車で7、8時間もかかるので、現地に宿泊するツアーを選んでいくのがおすすめです。グランドキャニオンからだと車で4時間ほどでしょうか。草がところどころしか生えていない荒涼とした平原。そのあちこちに立つ「ビュート(残丘)」と呼ばれる、頂上が平らな岩の塔。これが「記念碑(モニュメント)」のように見えることから、モニュメントバレーの名がついたとか。この風景は画像を見れば誰もが、「ああ見たことがある!」と思うでしょう。それもそのはず、ここはアメリカの西部劇ではおなじみの場所で、たいていの人が映画で何度も目にしたことがある場所だからです。

グランドサークル絶景の旅/西部劇の世界が目の前に「モニュメントバレー」(前編) グランドサークル絶景の旅/西部劇の世界が目の前に「モニュメントバレー」(前編)

西部劇のクラシック『駅馬車』で、はじめてスクリーンに登場

モニュメントバレーを愛した映画作家というと、監督のジョン・フォードにつきるでしょう。ジョン・フォードがこのモニュメントバレーで初めて撮影した1939年の映画『駅馬車』は、西部劇の古典と言っていい作品です。クライマックスの疾走する駅馬車とそれを襲うアパッチ族のアクションシーンは、多くの映画に影響を及ぼしました。近年の傑作アクション映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』もそのひとつでしょうね。さて、映画『駅馬車』では、モニュメントバレーの岩山をバックに駅馬車が走るシーンが何度も出てきます。劇中では長い距離を走っていることになっているのですが、実はアングルを変えてモニュメントバレー内で撮影されていたのですね。

名作西部劇『荒野の決闘』ほか、多くのフォード映画にも登場

ジョン・フォード作品では、他にも『荒野の決闘』『黄色いリボン』『捜索者』などでも、このモニュメントバレーが登場します。とくに彼が好んで撮影した場所は「ジョン・フォード・ポイント」として、モニュメントバレーの名所となっているんですよ。そのジョン・フォード・ポイントのすぐ近くには「スリー・シスターズ」と呼ばれる3本の岩の塔があります。この場合、「シスター」とは「姉妹」ではなく「修道女」のことで、3人の修道女がベールを被っているように見えることからついたとか。モニュメントバレーでの撮影2作目『荒野の決闘』(1946)では、トゥームストーンの町のセットが、撮影隊が宿泊していたグールディングス・ロッジのそばに造られたそうです(1951年に撤去)。(後編に続く)