ぽっかり空いた2つのプール

「ツインタワー跡地にある「9/11メモリアルプラザ」」中編からの続きです。ワールドトレードセンターにあったツインタワーの跡地は、現在は国営の追悼施設である「メモリアルプラザ」という広場になっており、「リフレクティングブール」と呼ばれる水が滝になって流れる2つのプールと、2014年にオープンした国立9/11メモリアル博物館がありました。ツインタワーが建っていた場所には同じ大きさで、ノースプールとサウスプールという2つのブールがあります。ぽっかり空いたプールの底に流れ込んでいく水を見ていると、かつてここにタワーがあり、多くの人々が働いていたこと、そして今ではそれがすべて失われてしまったという、大きな「空虚」を感じ、言葉を失いました。プールを囲むブロンズパネルには、亡くなった犠牲者の名前が刻まれています。追悼モニュメントとしてはシンプルですが、そのシンプルな佇まいにこそ悲しみの大きさを感じます。

国立9/11メモリアル博物館

国立9/11メモリアル博物館では、事件のあらましを説明する展示があるのはもちろん、破壊されたツインタワーを支えていた鉄柱の一部や階段、押しつぶされたはしご車なども展示されています。見ていてなかなか辛い部分もありますが、事件のことをその現場で肌で感じ、こうした悲劇を繰り返さないためにはどうしたらいいかと考えるのも、いい旅の経験となるでしょう。所要見学時間は2時間ほど。ハイシーズンや時間帯によっては混んでいて入場券売り場に列ができているので、あらかじめインターネットでチケットを購入しておくと、当日並ばなくてすみます。

9/11メモリアルプラザにある、国立9/11メモリアル博物館。メインの展示は地下にある 9/11メモリアルプラザにある、国立9/11メモリアル博物館。メインの展示は地下にある

楽しいばかりが観光ではない

いかがでしたか? 今はないツインタワーから現在の様子までを書いてみました。私は初ニューヨークの際、まだある頃のツインタワーを訪れたことがあります。しかし、最初からツインタワーは歴史の中でしか知らないという人もいますよね。世界には「広島平和祈念資料館」や「アウシュビッツ収容所」といった、人間の「負」の部分について深く考えさせてくれるスポットがあります。このメモリアルプラザもそうした場所の一つとして、記憶されていくのではないでしょうか。平和を愛する気持ちを感じる場所に行くのも、一つの旅の形といえるでしょう。

●9/11メモリアル公式ページ www.911memorial.org
[開]7:30〜21:00、無休、無料
博物館[開]9:00〜20:00(金・土は21:00まで。最終入場は18:00、金土は19:00)[料]24ドル