南米の赤道近くにある海抜1000m以上の高地

日本から遠い南米大陸。アジアやヨーロッパに比べて時間もお金もかかるので行く人はなかなか少なく、イメージが湧きにくいでしょう。その南米大陸の北のほうを赤道が通っていますが、その線よりも少し北、ベネズエラから東のガイアナ、南のブラジルにかけての国境地帯に、スペイン語で「マシーソ・グアヤネス」と呼ばれている「ギアナ高地」があります。このエリアは“熱帯”といっても、南にあるブラジルのアマゾンとは異なり、標高がもともと1000m近い高原に、そこからさらに「テプイ」と呼ばれる標高差1000m近いテーブルマウンテンが数百も点在している地域なのです。

ベネズエラ、ガイアナ、ブラジル国境地帯にある「ギアナ高地」とは? ベネズエラ、ガイアナ、ブラジル国境地帯にある「ギアナ高地」とは?

小説「失われた世界」の舞台はここ

「テプイ」は富士山に代表されるような日本の山と形が異なり、1000mもの断崖に周囲を囲まれた、頂上が平らな台地です。その形から、しばしば「タンカー」に例えられることもあります。なぜそんな地形になったかというと、この辺りは20億年前という古い地形で、それが長い年月をかけて浸食され、固い岩盤だけが残ったというのです。そそり立つ断崖に囲まれているため、テプイの上に上ることは非常に困難で、長らく人を寄せつけませんでした。また外界から切り離された台地の上は、下界とはまた異なった生態系がはぐくまれました。このギアナ高地のテプイをヒントに、シャーロック・ホームズもので知られるイギリスの作家コナン・ドイルが、小説「失われた世界(ロスト・ワールド)」を書き上げたことは有名です。これは周囲から隔絶された台地の上に、絶滅してしまった恐竜たちがまだ生きているという話です。

日本からギアナ高地に行くツアーもある

実際にはテプイの上にはそんな太古の生物たちは存在しませんが、それでも台地の上の生物相は異なっており、とくに食虫植物の種類は多いようです(大きな動物はいません)。そのテプイのすぐそばまで行くツアーがあります。日本からもツアーが出ている、ベネズエラのエンジェルフォールへ行くものです。エンジェルフォール(現地名「サルト・アンヘル」)は、そのテプイのひとつから落下する滝ですが、その落差は979mとおよそ1km近くある「世界最大の落差を持つ滝」です。あまりにも高いところから落ちてくるので滝壺がなく、滝の下のほうは一年中霧雨状になっています。このツアーに参加すれば、簡単にこのギアナ高地の風景を見ることができるでしょう。また、オプショナルで「セスナ遊覧」に申し込めば、テプイの高さまで飛んでくれるので、この高地の様子を垣間見ることもできます。私はこのセスナに乗りましたが、迫力満点でした。