ピレネーの麓にある温泉宿

バルセロナの北西280km、ピレネー山脈の南麓にあるボイ渓谷には、世界遺産に登録されたロマネスクの教会が点在しています。バルセロナからは車で約4時間。じっくり教会巡りをしたいなら、ここで一泊してみてはいかがでしょうか。両側に山が迫る狭い谷を北上すると、谷の北端、アイグエストルタス・イ・アスターニ・デ・サント・マウリシ国立公園の入り口に、周囲を鬱蒼とした緑に囲まれた「カルダス・デ・ボイCardes de Boi」という温泉があります。ここにはスパ施設を有する2軒のホテルがあります。

世界遺産の教会が点在する「ボイ渓谷」の温泉リゾートでのんびり過ごそう 世界遺産の教会が点在する「ボイ渓谷」の温泉リゾートでのんびり過ごそう

レトロな雰囲気たっぷりの館内

ホテルの建物は17世紀に建てられた中世のホテルを改装したものです。レセプションから二階に上がると、温泉療養のために長期滞在する人たちがくつろぐホールがあり、カードゲーム用のテーブルではお年寄りがゲームに興じていました。館内はどこもレトロで、日本の老舗温泉旅館に似た雰囲気。いかにも昔からの湯治場といった風情が漂っています。ホテルの下には温泉保養施設、今風に言えばスパ施設があり、バスタブを羽織ったご婦人たちがホールでまったりと休憩していました。長逗留している湯治客が多いそうですが、バスでやってくるスペイン人の団体も見かけました。

ローマ時代から続く湯治場の源泉は37!

標高1500mのカルダス・デ・ボイは、ローマ帝国が支配していた時代から続く湯治場です。広大な敷地の中には、水温、泉質、効能の異なる37もの源泉が湧き出していて、それらを巡る散策コースが作られています。源泉は無色透明な泉質が多いですが、白濁して硫黄くさいものもありました。中でも最も湯量が豊富なのが「カネム源泉」で、神経痛や冷え性、高血圧に効くとされています。スパ施設に使われているお湯のほとんどが、このカネム源泉から引かれています。ホテルの風呂も温泉だとのことでしたが、残念ながら、一泊の滞在ではその効果を感じることはできませんでした。

スパのトリートメントで浮世の疲れをほぐしましょう

スパでは、70分の温泉コースにトライしました。洞窟のスチーム風呂とジャグジーに入り、圧力が変化する水圧シャワーを浴びます。玉砂利の上を歩いて、たらいから一気に落ちる水をかぶり、氷で体を冷やし、大水量の打たせ湯を浴びてと盛りだくさんのメニューで、日常生活で疲れ固まった心のコリまでほぐされたようでした。次回は「ファンゴ」と呼ばれる泥を使ったトリートメントやマッサージも受けてみたいです。お風呂で汗を流した後は、「美味しい水」の賞を受賞したボイ産のミネラルウォーターで渇きを癒せば、体の芯からきれいになれる気がします。